億万長者たちの宇宙開発競争 勝つのは誰?

火星移住に月の居住地化、宇宙旅行を実現しようとする企業家たち

2018.04.12
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2016年4月12日、コロラドスプリングスで開かれた第32回宇宙シンポジウムで話すアマゾン社の最高経営責任者ジェフ・ベゾス氏。月の居住地化を目指すブルーオリジンの創立者でもある。(PHOTOGRAPH BY MATTHEW STAVER, BLOOMBERG, GETTY IMAGES)
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ベゾス氏は月を、マスク氏は火星を目指しています。誰が最初に目的を達成するでしょう。土壇場で勝利するのがブランソン氏ということもありえますか?

 ブランソン氏のヴァージン・ギャラクティックとベゾス氏のブルーオリジンは、金を払う客を乗せた宇宙旅行という分野で競い合っています。どちらが先に実現できるかはわかりません。両社とも、2018年中のサービスインを目指しています。

 マスク氏のスペースXは、国際宇宙ステーションへの有人飛行で、ボーイング社と競争しています。ベゾス氏は、ニューグレンという名の新型巨大ロケットを建設中で、スペースXのファルコン9のライバルになるかもしれません。

 誰が勝者となるかは、わかりません。注目を集めるマスク氏は先行しています。米軍とNASA向けに民間ロケットを飛ばし、既に収益を得ています。テスラを乗せた新型巨大ロケット「ファルコンヘビー」の打ち上げも成功しました。さらに、火星へ行くという夢についても熱く語っています。(参考記事:「スペースXの最新ロケット、ここがスゴイ」

 ベゾス氏はカメのような存在で、目立たず秘密主義。石橋を叩いて渡るように見えますが、本人もいうように激しさも兼ね備えた人物です。マスク氏ほど注目されていませんが、無視できない存在です。宇宙への情熱と真剣な思いがあります。ニューグレンが打ち上げられれば、スペースXは厳しい競争に直面することになるでしょう。

 ブランソン氏は、ヴァージンブランドらしく、娯楽性の高い地球周回軌道の宇宙ツアー実現を目指しています。最終的なブランソン氏のゴールは、離れた地点を短時間で移動できる旅客サービスを提供することです。実現すれば、宇宙船に乗り込んで大気圏の外へ一度飛び出し、ニューヨークから東京までわずか数時間で行けるようになるかもしれません。ブランソン氏が月や火星に人を送りたいと考えているかどうかはわかりません。

あなたは、どの人物が勝つと思われますか?

 一人だけ選ぶのは難しいですね。マスク氏には数々の事業で成功を収めた実績があります。ベゾス氏は資金力では頭抜けています。ヴァージン・ギャラクティックは、事故で一度は大きく後退しましたが、その失敗から学び、今は着実に前進しています。ですから、現時点では誰が勝つとは言えません。3人とも野心とやる気に満ち、しかも資金力がありますから。

2018年2月5日、米フロリダ州ケープカナベラルにあるNASAケネディ宇宙センターで、39A発射台に立つファルコンヘビーと、スペースX創立者のイーロン・マスク氏。(PHOTOGRAPH BY TODD ANDERSON, THE NEW YORK TIMES)
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文=Simon Worrall/訳=ルーバー荒井ハンナ

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