謎の地上絵50点以上発見、ナスカの隣接地域

ナスカ文明より古い時代「ほとんどが戦士の絵」、南米ペルー

2018.04.09
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古代ペルー人は、地表の石を動かして線の縁を際立たせ、縁の間の土をかき取って下の白っぽい土を露出させるという方法で地上絵を作った。(ART BY FERNANDO G. BAPTISTA/NGM STAFF. SOURCE: MARKUS REINDEL, GERMAN ARCHAEOLOGICAL INSTITUTE)
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 グローバルエクスプローラーが利用する人工衛星のなかで最も強力なものは、高度600キロの上空から幅30センチの物体を見ることができる。これは、200メートル離れたところから1本の髪の毛を見るのと同じだ。けれども、今回見つかった地上絵の線の幅はわずか数センチで、宇宙からはとても見えない。

 一方、高度60メートル以下の低空を飛行するドローンなら、幅1センチの物体でも見分けられる。「ドローンカメラの解像度は信じられないほど高いのです」とカスティリョ氏は言う。(参考記事:「世界最大級の岩絵、ハイテクカメラでくっきり」

略奪よりも脅威となるのは

 新たに発見した地上絵を正式に記録した研究者たちは、この地上絵が保護されることを望んでいる。今回地上絵が発見された場所はユネスコの世界遺産「ナスカとパルパの地上絵」の範囲内にあり、イスラ氏によれば、差し迫った脅威はない。とはいえ、新しい地上絵はペルー文化省に登録する必要があるため、調査チームは現在、登録のための地図と図面を作成していると言う。

 新たな地上絵は今後も続々と発見されるはずだ。グローバルエクスプローラーは新しい考古学遺跡と考えられる場所をすでに何百カ所も特定しており、ペルーの考古学者たちは今年の秋と冬にも地上調査を予定している。

「グローバルエクスプローラーがもたらす情報は、質の点でも量の点でも並外れています。なかでも重要なのは、比較的短期間で調査ができることです」とイスラ氏は言う。「この技術を持つ私たちは、考古学遺跡や地上絵の登録の最先端を走っています」

 ペルーの地上絵にとって、遺跡の略奪以上に深刻な脅威となっているのは、都市や農村の無秩序な拡大である。パーカック氏とカスティリョ氏は、将来的には、グローバルエクスプローラーのデータが、こうした開発から考古学遺跡を保護する役に立つことを期待している。(参考記事:「21世紀中に解明されそうな古代ミステリー7つ」

【参考ギャラリー】ナスカ 文明崩壊の謎 23点(画像クリックでギャラリーページへ)
ペルー南部の沿岸部に広がる砂漠には、クモやサル、空を飛ぶ正体不明の動物など、さまざまな図形が描かれている。(Photograph by Robert Clark)

文=Michael Greshko/訳=三枝小夜子

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