人工知能:天の賜物か人類への脅威か?

 ホーキング博士は人工知能(AI)の威力(と、その否定的な側面)についても発言し、人類の存在を脅かすことになるかもしれないと指摘していた。

 2014年の英国BBC放送によるインタビューには、「完全なAIの開発は、人類の終焉を宣告するものになるでしょう」と答えている。「AIは勝手に進化しはじめ、どんどん早いペースで自分自身を作り変えてゆくでしょう。生物の進化は非常に遅いため、人類はAIには太刀打ちできず、最終的には取って代わられてしまうでしょう」

 AIへの懸念を表明している有名人はホーキング博士だけではない。米国テスラ社とスペースX社のCEOであるイーロン・マスク氏は、AIは「人類の存在への脅威」であると公言している。しかし、こうしたコメントには反論も多く、いたずらに恐怖心を煽ろうとしているとする批判もある。(参考記事:「スペースXの最新ロケット、ここがスゴイ」

 ホーキング博士はその後のコメントで、AIが必ずしも悪いものではないことを強調している。2016年に「ガーディアン」で紹介されたスピーチでは、「知能を作り出すことの潜在的な利点は莫大です」と語っている。「私たちの生活のあらゆる側面が一変するでしょう」。しかし、米国のウェブサービス「Reddit」の「スティーブン・ホーキングだけど何か質問ある?」に初めて登場したときには、そうした技術的進歩から誰が利益を得ることになるかについて警告を発している。

 博士は、「私たちが必要とするすべてのものを機械が作るようになったとき、それが何を意味するかは、分配のされ方によって変わってくるでしょう」と語った。「これまでのところ……技術は格差をますます大きくする傾向があるようです」(参考記事:「クイズ王に勝った人工知能、今度は料理の独創レシピ」

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