ナマケモノは愚か者ではない

【参考動画】揺り椅子に登るナマケモノの赤ちゃん
野生のナマケモノの赤ちゃんは木に登ることを覚えるが、親を失って保護施設で暮らす赤ちゃんはどうやってそれを覚えるのだろう。ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー、ルーシー・クック氏が、揺り椅子が役立っていることを説明する。(解説は英語です)

 皆さんは、どのくらい長い間、逆さになって木にぶら下がっていられるだろう。1分だろうか、それとも10分だろうか。ナマケモノは、毎日一日中そうしている。(参考記事:「コウモリやナマケモノはなぜ逆さまでも平気なのか」

 6種類いるナマケモノは、フックのような長い爪と、眠っているときに指が閉じる腱を進化させてきた。また、血管網が前腕部に行き渡るようになっており、筋肉を冷やしてエネルギーの消費を抑えることができる。

 ナマケモノの筋肉の重さは、体重比で30%ほど。同じくらいの大きさの動物より低いが、ナマケモノはとても丈夫だ。筋繊維がゆっくりと収縮するため、消費するエネルギーは少ないにもかかわらず、持久力は強い。

 一方で、筋肉の構造上、ナマケモノは震えることができない。そのため、爬虫類と同じく、体温を上げるために日光浴をしなければならない。またナマケモノは、食べたものを消化する速度まで遅い。クリフ氏によると、1枚の葉を消化するのに最大30日もかかるという。(参考記事:「ナマケモノは交尾もゆっくり?」

 このように動きが遅いので、ナマケモノは頭が悪いと思われてきた。クリフ氏は、「ナマケモノの頭のすぐそばで銃を発砲しても、振り向きすらしない」という人もいるという。

 だが実は、危険に対してゆっくり反応することは、ナマケモノにとって良いことなのだ。熱帯の森には、かすかな動きすら見逃さないオウギワシがいるからだ。(参考記事:「ナマケモノ、危険なトイレ旅の見返りは」

「ナマケモノは、ナマケモノなりに十分賢いのです」

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