冬季オリンピックといえば、アルペンスキーなどのスリリングな競技が花形かもしれない。しかし過去には、凍った湖の上を馬に引っ張られる競技など、風変わりな種目がいくつもあったことをご存じだろうか?(参考記事:「綱引き、消えた五輪種目」)
1990年代前半まで、オリンピック開催国は「公開競技」を実施することができた。公開競技は公式のメダルが授与される正式競技ではなく、その地域では人気があるが世界的にはそうでもない競技を紹介するために実施されることが多かった。その後、正式競技として採用されたものもあるが、多くはそうならずに消えていった。
現在、韓国で開催されている平昌オリンピック2018を楽しみながら、過去の冬季オリンピックで実施された、変わった公開競技を振り返ってみよう。(参考記事:「あのオリンピック会場はいま、世界の写真9点」)
スキージョーリング
スキージョーリングは、馬(または犬)の手綱をスキーヤーが握り、氷や雪の上を引っ張ってもらう競技だ。1928年にスイスで開催されたサンモリッツオリンピックの公開競技として1度だけ実施され、凍った湖の上で馬に引っ張られて競争した。(参考記事:「綱登り、消えた五輪種目」)
馬や犬に引っ張られるスキージョーリングは、今でもヨーロッパや北米で行われている。犬に引っ張られる場合は、他のオリンピック競技2つを組み合わせたようにも見える。クロスカントリー・スキーと犬ぞりだ。クロスカントリーは現在も正式競技だが、犬ぞりは1932年に米国で開催されたレークプラシッドオリンピックの公開競技だった。
カナダ、ウィンザー大学の運動学教授でオリンピック史に詳しいクレイグ・グリーンハム氏は、「多くのスポーツ、特にオリンピック競技は、多少なりとも軍事に利用されたり、軍事に由来したりするものです」と話す。例えば、スキージョーリングもかつては軍隊の冬季の移動手段だった。(参考記事:「将来の五輪、クローン馬が出場可能に」)