5億年前の驚異の化石、ゴカイ類の新種、神経は初

「衝撃的に良好な状態」と研究者、早い段階から頭部が進化か

2018.01.26
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 なぜなら、こうした生物の体を作っている軟組織は、普通は簡単に分解されてしまい、化石になりにくいからだ。対して、この化石は保存状態が良好であり、研究者たちにとって、環形動物門の頭部がどう進化したのかを解明する手掛かりになっている。

 従来の研究では、グリーンランドで見つかった環形動物の化石に基づき、これらの種に頭部はあったが、体との区別はつかなかったとされていた。ナングル氏によると、それらの化石は、近年カナダで見つかった物に比べて保存状態がずっと劣るという。新しい化石は、これまでよりも体の多くの部分がはっきり確認できるとのことだ。

「私たちは従来の説とは違い、環形動物の頭部は進化の早い段階から頭らしくなっていたと考えています」とナングル氏。(参考記事:「恐竜から深海魚まで、世界で活躍する若き日本人研究者」

「物語はまだ終わっていません」

 ナングル氏は次のステップについて、カンブリア紀の広い範囲の生態系で、これらの生物が果たしていた役割を調べることだと話す。こうした多毛類が生きていたときは、太古の節足動物とも共存していただろう。現在の動物ではカニ、クモ、昆虫などを含むグループだ。

 あらゆる動物は、太古の姿から進化して今に至っている。ナングル氏は、比較的進化の初期段階におけるこうした生物の形質の解明を進め、生命の進化をひもとく科学に貢献したいと考えている。(参考記事:「謎の古代生物タリーモンスターの正体がついに判明」

 今回の化石発見について、「これまでよりもずっとイメージが鮮明になりました」と言いつつ、ナングル氏はこう続けた。「物語はまだ終わっていません」

文=Sarah Gibbens/訳=高野夏美

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