古代ローマで大人気、万能調味料「ガルム」とは

発酵させた魚と塩から作る魚醤、交易路の形成にも寄与

2018.01.25
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ガルムを用いたレシピ

1世紀のローマのレリーフに刻まれた魚料理(DEA/AGE FOTOSTOCK)
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 西暦1世紀のローマには、マルクス・ガビウス・アピキウスという名の裕福な美食家がいた。古代史における最古の料理本の一つで、4世紀に編纂されたとみられる『料理帖(De re coquinaria)』は、この人物と関連があるといわれており、別名『アピキウス』とも呼ばれる。この本には、ガルムなどの魚醤を重要な材料として用いるレシピが数多く掲載されている。たとえば、次のパルティア風チキンもその一つだ。

「チキンをていねいに下ごしらえして4つに切り分ける。リクアメン(ガルムに似た魚醤)をかけたコショウ、ラベージ(緑色のハーブ)、キャラウェイ少々をつぶし、ワインを加える。チキンを陶製の皿に載せ、上記の調味料をかける。ラセル(フェンネルに似た植物ラセルピキウムの汁)とワインを加える。調味料を馴染ませたら、チキンを蒸し煮にする。コショウをふりかける」

 この料理本の中でいちばん簡単なレシピは、卵を焼いてワインとガルムを混ぜたもので味付けをした一品だ。

文=María José Noain Maura/訳=北村京子

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