バイキングの櫛を発掘、刻まれた文字に研究者興奮

バイキングの「ルーン文字」、発展の謎を解き明かす鍵となるか

2018.01.24
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【動画】ルーン文字が刻まれた遺物を発見。(解説は英語です)

新しい文字を広めるため?

 新しい文字体系が採用されると、バイキングの支配下にあったヨーロッパの地域では、統一的な文字によるコミュニケーションが可能になっただろう。取り引きの促進も容易になったはずだ。(参考記事:「コロンブスに勝てなかった“新大陸発見者”とは?」

 櫛にそれ自体の名前が書かれていることは、この文字体系を導入した初期の段階を示すものではないかとシンドベック氏は考えている。この新しいルーン文字を採用したしるしについて、「ある意味、余計なことをしているのです」と彼は話す。「見ればわかるのですから」

 一方、スウェーデンのウプサラ大学でルーン文字を広く研究しているヘンリック・ウィリアムズ氏は、櫛にその名前が刻まれている理由について異なる見方をしている。

 一つは、これが認知症のような障害のある人や、言葉を学んでいる子どもの役に立ったのではないか、という点だ。「学校はありませんでしたから、子どもに読み書きを教えるために、日用品に言葉を書いたのかもしれません」

 またウィリアムズ氏は、ルーン文字には特殊な目的、さらには魔術的な意味合いがあると考えられていたのではないか、と指摘する。新しい文字が広く採用されるまで、手紙を送るなどの一般的な通信手段にルーン文字が使われていた証拠は見つかっていない。(参考記事:「古代人は「絵文字」を使っていた?」

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