1月18日、オーストラリアの海岸沖でライフガード(水難救助員)が画期的な人命救助に成功した。海に入ることなく、おぼれかけた人を救ったのだ。
オーストラリア、ニューサウスウェールズ州北部の町レノックス・ヘッド付近の海で、10代の少年2人が高波に襲われ、沖合へ流された。波の高さは3メートル近くあり、助けようにもボートで近づくのは簡単ではない。
海岸にいた人が少年たちに気づき、ライフガードに救助を要請した。
通報を受けたとき、ライフガードたちは救助用ドローンの操作訓練をしている最中だった。監督官のジャイ・シェリダン氏はさっそくドローンを発進させた。
ドローンは2人の少年の上空に到達すると、空気が入って膨らむ救命具を落下させた。波にもまれていた少年たちはこれにつかまり、海岸まで泳いでいった。彼らは無事にたどり着いたものの、かなり疲弊していた。
この救出劇の所要時間は、1~2分だった、とシェリダン氏は地元の日刊紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」に語った。これは従来の方法と比べ、時間がかなり短縮されている。海岸にいるライフガードが海に入って救助を行う場合、通常はこれより数分長くかかる。
州政府の話によると、ドローンを使った人命救助は世界で初めてという。