虹色の恐竜が見つかる、ハチドリ似の構造色

「ジュラ紀に行ったら、私たちはこの恐竜を鳥だと思うでしょう」と研究者

2018.01.18
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 ハチドリの場合は、同じような微細構造がプリズムのように光を分光し、金属のような光沢ができて角度によって違う色に見える。胡東宇氏のグループは、恐竜の羽の色を厳密に再現することはできなかったものの、メラノソームの観察からCaihongも虹色に輝いて見えただろうと考えている。(参考記事:「カメレオンの七変化、秘密は皮膚の小さな結晶」

 光沢をもつ恐竜が見つかったのは、今回が初めてではない。2012年には、ミクロラプトルという恐竜が青っぽく輝く羽毛を持っていた証拠が見つかっている。これは、現在のカラスやキュウカンチョウに似ている。ただし、ミクロラプトルは全身が光沢をもち、Caihongの約4000万年後の世界に暮らしていた。(参考記事:「玉虫色の輝き、ミクロラプトルの羽毛」

 Caihongとミクロラプトル両方の研究に携わっているテキサス大学オースティン校の古生物学者ジュリア・クラーク氏は、「進化の系統樹に当てはめると、獣脚類の恐竜たちは2つの異なる方法で光沢色を手に入れていたと考えられます」と語る。

Caihong jujiの化石が含まれた石。珍しい条件がそろったため、骨とともに羽毛が化石化している。(PHOTOGRAPH BY THE FIELD MUSEUM)
Caihong jujiの化石が含まれた石。珍しい条件がそろったため、骨とともに羽毛が化石化している。(PHOTOGRAPH BY THE FIELD MUSEUM)
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飛ぶための羽としては最古?

 今回の論文を査読した英エディンバラ大学の古生物学者スティーブ・ブラサット氏によると、Caihongは見せるという用途以外にも羽を使っていた可能性がある。「羽毛には虹色の光沢がありますが、それだけではありません。目のすぐ前には、骨が隆起した奇妙なとさかがついています。おそらく、これも見せるためのものでしょう」

 さらに徐星氏は、シダの葉状のCaihongの尾には非対称形の短い羽が生えており、その先端は、空を飛ぶ際の空気抵抗に耐えられるよう固くなっていたと述べる。Caihongは「飛ぶに耐える羽をもつ」という重要な進化を遂げた最古の生物であるとの考えだ。よく知られている始祖鳥にも非対称な羽があったが、始祖鳥の登場はCaihong の時代より1000万年ほど後である。

 ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーで、始祖鳥について研究している米サウスフロリダ大学の生物学者ライアン・カーニー氏は、Caihongについて「この幅の広い大きな尾の役割は誰にもわかりません。光沢のある頭を目立たせることができるように、黒い背景として使ったのかもしれません」と話す。(参考記事:「始祖鳥の翼は黒かった」

 クラーク氏も、Caihongが光沢のある羽をどのように使ったのかはまだはっきりとはわからないと言う。オスとメスの羽の違いもわかっておらず、さらなる研究を待つほかない。

 ブラサット氏は言う。「羽毛をもつ恐竜が見つかれば見つかるほど、恐竜がいかに鳥に近い存在であるかを思い知らされます。もしその時代に行くことができるなら、私たちは彼らを見て鳥だと思うでしょう」(参考記事:「驚きの恐竜展を開催、もはや鳥展、米NYで」

ギャラリー:奇跡の恐竜化石、世紀の大発見 写真18点(写真クリックでギャラリーページへ)
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公開されたノドサウルス類の新種恐竜の頭部右側。タイル状の骨が特徴的だ。(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK, NATIONAL GEOGRAPHIC)

文= Michael Greshko/訳=鈴木和博

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