16世紀の世界地図、総数60枚がデジタル地球儀に

海を跳ね回る人魚、ゾウを捕まえて飛ぶ鳥など、珍獣も多数

2017.12.14
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 地図収集家のデビッド・ラムゼイ氏は、次のように語っている。「モンテは、地球が丸いということを示したかったのだと思います」。ラムゼイ氏はモンテの地図を買い取り、2016年にスタンフォード大学に自ら創立した地図センターに寄贈した。北極点を中心とした地図投影は、北半球の大陸を正確に描くことができるという利点がある。その半面、南極大陸がとんでもなく誇大化されているが、ラムゼイ氏によると当時は「北半球の陸地の大きさと釣り合いを取るため、南極大陸はきっと巨大だったに違いないと考えられていました」という。これはもちろん誤りであるが、古代ギリシャ時代から広く信じられていた説だ。(参考記事:「地図の物語:起伏表現はこうして進化した」

つなぎ合わせて「地球儀」に

 ラムゼイ氏は、モンテの地図を2017年9月に買い取った。これを甥のブランドン氏が一枚ずつスキャンして、デジタル処理ですべての画像をつなぎ合わせた。つなぎ目がほぼ完璧に合わせられたことから、モンテは最初から1枚の地図にするつもりで作成したのだろうと考えられる。一枚一枚の地図と全体をつなぎ合わせた地図の画像は、オンラインで公開されている。また、地図を球体にして、現代の地球に重ね合わせたものをグーグルの地球儀ソフト「グーグルアース(Google Earth)」で見ることができる。(参考記事:「15歳少年のマヤ遺跡「発見」は間違いと専門家」

【動画】モンテの世界地図帳を基に作成した「Google Earth」の地球儀。回転する球体に投影されたモンテの地図には、かなり奇妙な地球の姿が描かれている。

 同地図センターは、このような16世紀の地図製作者が思い描いていた世界を、最新技術によって現代によみがえらせるという目的で設立された。デジタル版を無償公開することで、専門家がモンテの地図を容易に研究できるようにしている。そして一般の人々にも、希少な地図を自由に閲覧する機会を与えている。

【この記事の写真をもっと見る】モンテの世界地図ギャラリー 写真13点

文=Greg Miller/訳=ルーバー荒井ハンナ

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