真っ赤に染まる湖
人を寄せ付けない色鮮やかな場所は、もう一つある。タンザニアのナトロン湖だ。塩水に暮らす藍藻(らんそう)のおかげで、湖は真っ赤に染まっている。水はアンモニアと同程度のアルカリ性で、温度は50度近くに達する。(参考記事:「ナトロン湖、宇宙から眺める地球」)
決して水遊びに最適な場所ではないが、湖岸はフラミンゴの重要な生息地となっている。フラミンゴがピンク色なのは、赤い藍藻を食べているためだ。
血の滝
南極にも、血のように赤い滝がある。真っ白な氷河の中で、ひときわ目立つ存在だ。
この「血の滝」が発見されたのは1911年。赤色の原因は藻類だと長年考えられてきた。ところが2017年6月、血の滝の成り立ちを示唆する新しい地図を、アラスカ大学の研究チームが発表した。鉄分を豊富に含む塩水が、氷の割れ目を通り抜けていることを証明するものだ。塩水が滝として落ち始めた瞬間、鉄分が酸素と反応し、さびのような赤色に変化していたのである。(参考記事:「南極を流れる不気味な「血の滝」、謎を解明」)
枯れ果てた大滝
米国ワシントン州クーリー・シティーにあるドライ・フォールズは、ちょっと悲しい滝だ。世界最大の滝となるはずだったが、今はその姿を見ることはできない。ナイアガラの滝より10倍大きく、最後の氷河期には、高さ約120メートル、幅5キロ弱の規模を誇っていた。しかし現在のドライ・フォールズは、断崖に囲まれた湖となっている。もはや過去の栄光はない。(参考記事:「干上がるアラル海からの警鐘」)
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