太陽系外から飛来した小惑星「オウムアムア」の想像図。(Courtesy of European Southern Observatory, M. Kornmesser)
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 太陽系の外からやってきて、2017年10月に地球のそばを通り過ぎて行った謎の天体について、天文学者らが科学誌「ネイチャー」に最初の報告を行った。

 A/2017 U1と呼ばれていたこの天体は、ハワイの言葉で「遠方からの最初の使者」を意味する「オウムアムア(‘Oumuamua)」と名付けられた。太陽系の外から飛来した岩と氷の固まりが観測されるのは今回が初めてで、系外惑星の成り立ちについてヒントを与えてくれそうだ。(参考記事:「生命が存在できそうな一番近い系外惑星が見つかる」

「これはものすごいことです。小惑星を研究する学者たちにとっては、重力波観測のニュースに匹敵するほどです」。NASAの天文学者ジョゼフ・マシエロ氏は、この天体が見つかったときにそう語った。(参考記事:「重力波、世紀の発見をもたらした壮大な物語」

 今回のネイチャー誌への報告によると、オウムアムアは太陽系外に起源をもち、長さが幅の10倍以上ある極端な楕円形で、回転しながら進む巨大な鉛筆のようだという。「極端に細長くて、きわめて珍しい。太陽系にこんな天体はありません」と、報告書の著者である米ハワイ大学天文学研究所のカレン・ミーチ氏は言う。

明るくなったり暗くなったり

 謎の天体が見つかったのは10月19日。ハワイ大学の博士研究員ロブ・ウェリク氏が同大学の「パンスターズ1」望遠鏡がとらえた一連の画像のなかから見つけた。(参考記事:「太陽系の外から飛来した天体を初観測、歴史的発見」

 ウェリク氏は、欧州宇宙機関(ESA)の天文学者マルコ・ミチェリ氏とともに調査、「A/2017 U1」と呼ばれるこの天体が太陽の引力を振り切ることができるとわかった。時速約15万キロで地球から遠ざかっていたのだ。

 この太陽系脱出の旅を研究者らが観察したところ、オウムアムアには塵やガスの尾がなかった。つまりこの天体は彗星ではなく、別の恒星の周りで形成された小惑星とみられる。(参考記事:「ありえない発見、小さい恒星を回る巨大惑星」

 また、この天体の表面が、赤みがかった光を反射していることも観察された。この説明としてミーチ氏は、オウムアムアが有機物や金属鉄、あるいは輝石と呼ばれる鉱物で覆われているかもしれないと推測する。人間の目には、おそらく深い茶色に見えるだろうと彼女は言う。

 さらに、この天体は数時間ごとに明るさが10倍も変化する。このようなサイクルから、小惑星は細長い形をしており、7.34時間周期で回転していると考えられる。オウムアムアが明るく輝くとき、その長い側面が私たちの方を向いて効果的に太陽光を反射する。一方、暗くなったとき、私たちは天体の片方の先端を見ているということだ。

 周期から考えると、この天体の長さは180~400メートル、幅40メートルほどと考えられる。非常に珍しい形状だ。

 この天体はすでに地上の望遠鏡から観測することはできないが、天文学者は宇宙望遠鏡を使ってそれを追跡している。ミーチ氏によると、今週は赤外線を観測するスピッツァー宇宙望遠鏡がオウムアムアを視野に入れており、2018年1月にはハッブル宇宙望遠鏡を使ってさらなる追跡を目指すという。(参考記事:「ロシア上空に謎の発光体、正体は弾道ミサイル」

文=Michael Greshko/訳=ナショナル ジオグラフィック編集部