生命が存在できそうな一番近い系外惑星が見つかる

地球から11光年、生命にやさしい「静かな」恒星を回る惑星

2017.11.16
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赤色矮星ロス128(写真中央)はおとめ座の方向にある。(ILLUSTRATION BY SKY SURVEY 2)
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 ロス128bが雲に覆われていた場合、生命が存在している可能性があると言ってよいのだろうか? プロキシマ・ケンタウリを研究してきた米ビラノバ大学の天文学者エド・ガイナン氏は、ロス128が「静か」なのは本当だが、そう言ってしまうと誤解を招きかねないと指摘する。

 ロス128は、数十億年前には現在のプロキシマ・ケンタウリのように若く活動的で、強烈な放射によって惑星の表面を不毛の地にしていた可能性があるからだ。

「ロス128が10億歳のときには激しく燃えさかっていて、惑星にとっては非常に危険でした」とガイナン氏は言う。「現在より数十万倍も強いX線や恒星風に耐えなければならなかったのです。生命が誕生するためには液体の水が存在できる温暖な気候が必要なので、惑星は主星から近いところにある必要があります。けれどもあまり近すぎても、若く活動的な主星からのフレアや恒星風をもろに受けてしまいます。これは、すべての赤色矮星に言えることです。赤色矮星は、理想的な主星ではないのです」

 現時点の技術で系外惑星の大気の組成を調べるには、惑星が主星の手前を横切る「トランジット」という現象を観測する方法がいちばんだが、ロス128bはトランジットを起こさないことがわかっている。(参考記事:「初の「系外衛星」を発見か、約4000光年先の惑星」

16光年以内の恒星をあまねく調査へ

 ボンフィス氏のチームは、赤色矮星はたくさんあるので、大気の組成を調べられるものは必ずあるはずだと考えている。彼らは今、地球から16光年以内のところにあるすべての赤色矮星の周りで惑星を探し、分析しようと計画している。(参考記事:「【解説】地球に似た7惑星を発見、生命に理想的」

 欧州超巨大望遠鏡や巨大マゼラン望遠鏡などの次世代巨大望遠鏡は、こうした系外惑星の直接観測を可能にし、大気があればその組成も調べられるようにすることが期待されている。

 ボンフィス氏は、「ロス128bは、生命が存在する可能性のある系外惑星の中ではいちばん近いというだけで、私たちは今年、生命が存在できそうな系外惑星をたくさん発見しています。系外惑星探しという点では、非常に充実した1年でした」と言う。(参考記事:「太陽系外惑星へ探査機を送る新手法、科学者が提唱」

文=Michelle Z. Donahue/訳=三枝小夜子

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