世界最大級の翼竜化石をモンゴルで発見、東大

翼を開くと11メートルはアジアで初、恐竜の子どもを捕食か

2017.11.01
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「非常に大きな椎骨です。これに匹敵するのは、ルーマニアで発見された化石だけです」と、ウィットン氏はコメントしている。同氏は、今回の発見には関わっていない。「世界最大の翼竜の仲間と言って間違いないでしょう。アジアでこれほどのものが発見されたというのは、過去に例がありません」(参考記事:「白亜紀末にいるはずのない小型翼竜を発見」

 またウィットン氏は、今回見つかった翼竜の首の骨の太さにも注目する。首が長かったことで知られるアズダルコ科の大型翼竜アランボウルギアニアの首の骨は幅が5センチほどだったのに対し、新種の同じ部分の骨は20センチ近くある。

「だからといって今回の種が、全く新しいサイズの大型翼竜であるかというと、それはまた別の問題です。首の骨を体と比較して、ただ首だけが大きいのか、それとも体全体が巨大なのかを確認する必要があります」と、ウィットン氏は指摘する。

 しかし、ウィットン氏の直感では、首の太いモンゴルとルーマニアの翼竜が全体的に大きな体をしていたとしても、翼の長さはやはり10~11メートルだっただろうという。それが、このタイプの翼竜の飛行可能な大きさの最大限度に近いためだ。

特集ギャラリー:翼竜 太古の空のモンスター(2017年11月号)
特集ギャラリー:翼竜 太古の空のモンスター(2017年11月号)

どう猛な捕食者

「かなり屈強でどう猛な捕食者」として、人間ほどの大きさの獲物を捕食できただろうと、ウィットン氏は考えている。「地上にあるものを捕食し、くわえられるなら何でも捕らえていたでしょう」

 だが、ゴビ砂漠の翼竜は、白亜紀後期のルーマニアにいたハツェゴプテリクスのように食物連鎖の頂点に立っていたわけではない。というのも、当時のゴビ砂漠には、ティラノサウルス・レックスの近縁種で体重が少なくとも5.5トンはあるタルボサウルスも生息していたためだ。幸い、翼竜は空に舞い上がることができたため、タルボサウルスのメニューに載ることはなかっただろうと、専門家は考えている。(参考記事:「T・レックスのメニュー拝見、ときには共食いも」

「ほかにもっと捕らえやすい獲物はいたはずです。待ち伏せしていたとしても、体の大きな恐竜がそれほど素早く近寄るのは難しかったでしょうから」と、ウィットン氏は言う。(参考記事:「巨大翼竜、本当は飛べなかった?」

文=John Pickrell/訳=ルーバー荒井ハンナ

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