100頭以上のカバが大量死、炭疽か? ナミビア

わずか1週間で多数のカバが犠牲に、死骸は国立公園に点在

2017.10.13
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炭疽の感染源

 炭疽は、炭疽菌(学名:Bacillus anthracis)という細菌によって引き起こされる。自然環境では、水位が下がったときにこの細菌と接触することがあるとされる。炭疽菌は生物兵器として利用できる可能性があることで知られているが、自然界においては土壌の中に存在し、何十年も気づかれずに残存し続ける。(参考記事:「バイオテロ用の画期的な小型検知器を開発」

 米国疾病予防管理センター(CDC)によると、炭疽菌は芽胞(がほう、菌が非常に高い耐久性を持つ状態)を形成できる。芽胞が生きた有機体に入り込むと、「活性化」して増殖し、体中に広がって極めて重篤な疾患を引き起こす。その場合、適切な治療を行わなければ死に至る。

【参考動画】カバの決闘(解説は英語です)

 地元紙「New Era」には、ナミビア国立公園・野生生物局で課長を務めるコルガー・シコポ氏へのインタビューが掲載されている。シコポ氏は、川の水位が下がったために炭疽菌が含まれる土壌が露出し、それが大量死につながった可能性があると話している。

 政府は、地域の住民に死んだカバの肉を食べないよう呼びかけるとともに、炭疽の流行を防ぐためにカバの死骸を焼却する作業も進めている。「動物に被害が出ていることは残念ですが、住民の健康については心配していません」とンドコショ氏は話す。

 ただ、カバは国際自然保護連合(IUCN)によって「危急種(vulnerable)」に指定されている。ナミビア周辺には3300頭ほどのカバが生息しているとみられる。(参考記事:「1万3000種って何の数字?」

 ブワブワータ国立公園は、アフリカ南部で最大の淡水湿地帯で、たくさんの野生動物が暮らすオカバンゴ・デルタのすぐ北に位置する(ナショナル ジオグラフィックは、オカバンゴが長期にわたって環境を維持できるように支援を行っている)。

 カバの大量死に関する分析はまだ継続中だ。詳細がわかり次第、続報をお送りしたい。

文=Sarah Gibbens/訳=鈴木和博

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