人為的な地震は150年間で728件発生、最新報告

四川大地震とネパール大地震も、主な原因は資源採掘とダム

2017.10.05
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 今回の研究では、水圧破砕自体による地震が29カ所、水圧破砕後に起こる廃水の注入によるものが36カ所、また何らかの石油・ガス掘削に関わる廃水による小規模な揺れが12カ所で生じていたことがわかった。水圧破砕法による掘削が盛んに行われてきたオクラホマ州の場合、以前は比較的地震が少なかった地域において、年間数百回にのぼる小規模の地震が起こっている。

 この他にも、核爆発による地震が22カ所、工事現場での地震も2カ所で確認されている。(参考記事:「北朝鮮の聖なる火山「白頭山」に噴火の兆候」

「人間が行う事業はすべて、地殻の活動に影響を及ぼします」。データを収集した英ダラム大学の地球物理学者マイルズ・ウィルソン氏はそう語る。「たとえば、地中に大量の物質を加えたり取り去ったりすれば、地球がその変化に反応するのは当然のことで、その反応が地震になることもあるわけです」(参考記事:「地中へのCO2隔離で地震が増加?」

「人為的な地震は世界中で増加していくでしょう」

 ウィルソン氏が収集した人為的地震の記録は、古いものでは1868年前まで遡る。この記録をまとめたデータベース「HiQuake(Human-Induced Earthquake)」では、地震の日付、地域、マグニチュード、場所、原因などを確認できる。

 HiQuakeでは、ユーザーが加えるべきケースを報告する窓口も用意されている。

 データベースによると、過去10年間では人為的地震が108カ所で発生しており、その規模は比較的小さいものからマグニチュード5.8までさまざまだ。こうした地震の大半が発生しているのは米国とカナダで、原因は地中への廃水の注入だという。

「長期的には、人為的な地震は世界中で増加していくでしょう。地球に影響を及ぼす事業の数と規模は増えていますから」とウィルソン氏は言う。

 鉱石や石炭の採掘も大規模化が予想される。現在、採掘坑の規模はますます大きくなり、地下深くへと伸びている。こうした活動が地中を不安定にし、さらに多くの大規模な揺れを誘発するだろうとウィルソン氏は警告する。

「人間の活動が、蓄積された力を解き放つ最後の一撃になることもあるのです」(参考記事:「地震前の謎の発光現象、ついに解明か?」

 この研究は、自社の事業が環境に与える影響を調べたいというオランダのネーデルランセ・アールドオイリー・マートスカパイ社の委託も受けて行われたものだ。ウィルソン氏は、地震をより深く理解することが、その影響を最小限に抑えることにつながると考えている。

 地面を掘り返したり、廃水を地中に注入したりすることをすぐにやめることはできないだろう。それでも、2008年の四川大地震のような大災害に対する備えを充実させることはできるとウィルソン氏は言う。(参考記事:「【動画】ゆで釜のような「泥火山」は噴火の予兆?」

文=Sarah Gibbens/訳=北村京子

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