アカオタテガモ(Oxyura jamaicensis)のオスは、体の長さに匹敵する巨大なペニスを持っている。(PHOTOGRAPH BY MARESA PRYOR, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
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 生物学者のパトリシア・ブレナン氏は屋外の大きな鳥小屋を歩いている。彼女は1羽のカモを網で捕まえると、あおむけにして腹部に圧を加えた。「どこを押せばいいかわかっていれば、ペニスを飛び出させることができます」とブレナン氏は説明する。「彼らはとても協力的です。ここにいるオスたちはもう慣れていますから」(参考記事:「男性生殖器に関する5つの研究」

 米国マサチューセッツ州サウス・ハードリーのマウント・ホリヨーク大学に所属するブレナン氏は、かれこれ10年以上にわたり、こうしてカモに生殖器を出させ続けている。もちろん本人も想像していなかったことだし、それどころか、大学院を出るまで鳥にペニスがあることすら知らなかった。実際、97%の鳥はペニスを持たない。カモは残りの3%に属している。(参考記事:「ヒトのペニスにはトゲがあった?」

 おまけに、毎年ペニスがあらたに発達を繰り返すという特異な生理機能がカモにはある。繁殖期が始まると大きくなり、繁殖期が終わるとまた小さくなるのだ。さらに、ブレナン氏のチームは、カモたちの社会環境も生殖器の発達に影響を及ぼすことを発見し、9月20日付けの学術誌「The Auk」に論文を発表した。

オスメスのペアと、オスが多い群れ

 無理やりにでもメスに相手をしてもらいたいオスと、気に入らないオスをなるべく避けたいメスとの利害が対立したことで、カモのペニスと膣は互いに逆向きとなるらせん状に進化を遂げた。ブレナン氏はこの事実から、オス同士の競争はペニスに影響を及ぼさないのだろうか、と疑問に思った。

 その答えを探るため、ブレナン氏らは繁殖行動が全く異なるアカオタテガモ(Oxyura jamaicensis)とコスズガモ(Aythya affinis)でペアと群れをつくり、それぞれを自然環境を模した屋外の鳥小屋に入れた。ペアではオスとメスが1対1なのに対し、群れではオスの間に競争が生まれるように、8羽のオスと5羽のメスが入れられた。(参考記事:「ペニスでメスの首刺すネジレバネ、壮絶な繁殖行動」

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