古代マヤ文明の王か? 赤い遺骨と翡翠の面を発見

グアテマラ北部の「第80墓所」、ワカ王国の初期の王と見られる

2017.09.21
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赤い翡翠の仮面

シナバーで赤く塗られた翡翠の仮面。額には、トウモロコシの神との関連を示す装飾が施されている。(PHOTOGRAPH COURTESY OF JUAN CARLOS PEREZ, PROYECTO ARQUEOLOGICO WAKA’ AND THE MINISTRY OF CULTURE AND SPORTS OF GUATEMALA)
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 遺骨と副葬品はほとんどが良好な状態だったが、狭い墓の壁は崩れ落ちていた。それを取り囲むようにして建てられた巨大な宮殿も、近隣王国からの侵略によるものなのか、構造を保ってはいなかった。研究者たちが墓室へ入るには、四つんばいになって体をねじ込まなければならなかった。

 出土品の中で最も重要とされているのは、王の顔をかたどった赤い翡翠(ひすい)の仮面だ。額には、古代マヤ人の崇拝するトウモロコシの神によく描かれているものと同じ装飾が施されていた。フリーデル氏は、王が宗教的な存在として描かれることはよくあったと説明する。墓で見つかった壁画にも、王が宗教的存在として描かれ、遺骨の歯には支配階級に属していたことを示す翡翠の石が貼られていた。(参考記事:「翡翠の仮面」

 墓からの出土品は、全部で22点を数えた。そのうち20点は、葬祭用の縁が広く浅い土器だった。

「土器はいずれも、急いで作られたように見えます。遺骨の主の死は、突然のことだったのかもしれません」と、調査に携わった研究者の一人、ダミアン・マーケン氏はいう。ほとんどの土器には左右対称性がなく、高い技術を持ったマヤ文明の土器にしては、お粗末なつくりだという。(参考記事:「謎の古代文明の遺跡を中米で複数発見、マヤとは別」

 死後の世界へ持って行けるようにという願いを込めて、小さな土器にはタマルやチョコレートなどの食べ物が入れられていたのではないかとマーケン氏は推測する。それを確かめるために、フリーデル氏のチームは一部の土器から見つかった残留物の化学分析を行う予定だ。フリーデル氏もマーケン氏と同様、土器には食べ物が入れられていただろうと考えているが、ニコチンや植物の根など、マヤの墓でよく発見される麻薬の残留物が見つかる可能性もある。

 調査団は2003年からワカで発掘調査を続けており、今後も多くの発見が期待されている。発掘は、2018年春に再開される。(参考記事:「マヤ文明と終末論の真実」

文=Sarah Gibbens/訳=ルーバー荒井ハンナ

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