【動画】リカオンがくしゃみで投票、合意形成か

「本当に大発見です!」と他の研究者も絶賛、狩り直前の集会で

2017.09.08
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 くしゃみが「賛成」という意味であることが確認できたわけではない。しかしウォーカー氏は、くしゃみが同意のしるしであるという考えを裏付けるものとして、序列が高いリカオンと低いリカオンで、狩りに行くまでのくしゃみの回数が違う点を挙げている。

リカオンの群れは独裁的なものだと考えられていたが、今回のくしゃみの研究から、そうではない可能性がある。(PHOTOGRAPH BY BEVERLY JOUBERT, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
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 リカオンの群れは独裁的なものであると見なされていたが、今回の発見から、今まで考えられていた以上に複雑なものであることが明らかになった。リカオンの群れは「それほど独裁的なものではありません」とウォーカー氏。「日々の活動やグループの意思決定には、民主的なプロセスが確かに存在しています」

「本当に大発見です!」

 ケニアのンパラ研究センターで肉食動物を研究するナショナル ジオグラフィック、ヤング・エクスプローラーのデダン・ンガティア氏も、この研究結果は確かなものに見えると言う。「正直なところ、くしゃみが重要だとは考えもしませんでした。……これは本当に大発見です!」と言い、自身が研究している群れでも、くしゃみで意思決定を行っているのか調べたいと述べた。(参考記事:「【動画】くしゃみをする子ゾウがかわいい」

 南アフリカの絶滅危惧野生生物トラストを率いるハリエット・デイビス=モスタート氏も、この研究を「すばらしい」と讃えた。しかし、同氏らが観察している群れのラリーでは、さほど多くのくしゃみは見られないため、これはボツワナに特有の現象である可能性もあるようだ。また、くしゃみが他の合図に対する反応でないことを確認する研究もしてみたいと述べている。

 ウォーカー氏には、研究を通して行いたいと考えていることがある。それは、深刻な危機の最中にあるさまざまな種に目を向けてもらうことだ。最新の公式発表によると、アフリカ大陸にいるリカオンはわずか6600頭のみ。生息地の分断や狂犬病などの病気によって、現在も数は減り続けている。(参考記事:「イヌやネコはなぜ死んだ飼い主を食べるのか」

「リカオンは、協調や群れの絆を重視するすばらしい動物です」とウォーカー氏は話す。「こういった動物たちのすばらしさをもっと多くの人々に気づいてもらえば、それだけ事態はよくなると思っています」(参考記事:「【動画】チーターvsリカオン集団、獲物の行方は」

文=Traci Watson/訳=鈴木和博

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