最も近縁な種はアフリカに近い離島に生息

「カエルの適応能力は素晴らしい。このカエルはその証拠です」。オーストラリア博物館でカエルを専門に研究する生物学者で、ナショナル ジオグラフィック協会のエクスプローラーである、ジョディ・ローリー氏は話す。ローリー氏は今回の研究には関わっていない。

 ローリー氏によると、乾燥の時季を生き延びるため土に穴を掘れるカエルは世界中にいる。しかしブパティ・インドハナガエルは、一生のほとんどを地下で暮らす方法を見出したことで、その生き方を極限まで発達させたとのことだ。(参考記事:「水泳プールで新種の地中生カエルを発見」「地中に生息、ハイチでカエル再発見」

 また、この発見はとりわけ面白いとローリー氏は言う。最も近縁なグループがとても遠くに生息しているからだ。

インドの西ガーツ山脈はカエルの宝庫。中には、指の爪に乗せられるほど小さな種もいる。(説明は英語です)

「2種のインドハナガエルは、他の種から独立し、長い時間をかけて進化してきました」とローリー氏。「この属に最も近いカエルは、インドではなくセーシェルにいます。インドよりもむしろアフリカに近いところです」(参考記事:「よみがえるセーシェル」

 いずれの点でも、人間のカエルに関する知識がいかにちっぽけかを今回の新種は教えてくれる。(参考記事:「トゲ肌からツル肌に早変わりする新種カエルを発見」

「カエルはこの惑星で最も危機的状況にある生き物の1つです。知られているカエルの種の42%が絶滅の危機にあります。にもかかわらず、どれだけのカエルやその他の両生類がいるのかさえ、私たちはまだ知らないのです」とローリー氏は言う。

 実際、ローリー氏によると、毎年100種を超すカエルの新種が科学誌に発表されている(発見されている数はずっと多いが、正式に記述するには時間も手間もかかる)。そしておそらく、ブタ鼻の不思議なカエルは、次世代の若い生物学者たちを刺激するだろう。

「素晴らしいこの世界には、びっくりするような生き物がいます。ですから、この朗報をみんなで祝福すべきです」とローリー氏は語った。

文=Jason Bittel/訳=高野夏美