ソーネット・ナンペットさん(31歳)がタイで自分が勤めている工場のうしろの森を歩いていたとき、木にいたヘビを追撃する2匹のトッケイヤモリ(Gekko Gecko)に気がついた。
彼はその3匹に近づいて、携帯電話で撮影すると、ヘビのお腹のあたりがヤモリの形に膨らんでいた。
ナンペットさんが地元のメディアに語ったところでは、彼と友人はそのバトルにしばらく釘付けになったという。ヤモリはヘビに追い討ちをかけ続けた。1匹は木の枝から近付き、もう1匹はコンクリートの柱の上のほうから忍び寄った。窮地に追い込まれたように見えたヘビが逃げたため、ナンペットさんはそのバトルを刺激しようと棒でヘビを突っついた。
すると、あっという間にヘビは鮮やかな赤い色をした3匹目のヤモリを吐き戻した。(参考記事:「【動画】タコとカニの水中バトルが衝撃の結末に」)
米フロリダ自然史博物館、爬虫両生類部門の学芸員であるマックス・ニッカーソン氏は、ヘビがいともあっさりと獲物をあきらめる様子を見ても驚かなかった。
「比較的大きな獲物を飲み込むと動きにくくなってしまうので、困ったヘビが吐き戻すのはよくあることです」と氏は説明する。(参考記事:「【動画】ワニと遊びたくなったカバの子、結末は…」)
ヘビには獲物をとらえる歯があるが、それで噛み砕くことはない。代わりに、胃の中にある消化液が飲み込んだ獲物のたんぱく質の分解を助ける。つまり、食事をすっかり消化吸収するには長い時間がかかるということだ。
ヘビがヤモリより大きな獲物を吐き戻す映像が撮影されたことは過去にもある。インドでは大型のウシ科動物を吐き戻すヘビの様子が、米国テキサス州では、ヘビが生きたヘビをするすると吐き戻す動画がカメラにとらえられた。(参考記事:「【動画】衝撃、ヘビの口から大きなウシ科動物」、「【動画】生きたヘビをするすると吐き戻すヘビ」)