ネコが喜ぶはずの植物に反応しない理由

キャットニップ(イヌハッカ)と呼ばれる植物には、ネコを夢中にさせる効果がある。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
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 最後にもうひとつ、ネコについての疑問を解決してみたい。キャットニップ(イヌハッカ)はマタタビのようにネコを喜ばせる植物だが、中にはこれにまったく反応を示さないネコもいる。それはなぜだろうか。

 シラクーサ氏によるとその理由は、一部のネコは、キャットニップに含まれるネコを夢中にさせる物質「ネペタラクトン」を感知するための遺伝子を持たないからなのだそうだ。(参考記事:「ネコは自ら家畜化した、遺伝子ほぼ不変、最新研究」

 ブリストル大学のブラッドショー氏は、ストレスを感じているネコや、神経質になっているネコも、キャットニップには反応しないと語る。

 トラからイエネコまで、ネコの仲間はすべてキャットニップに反応を示すため、この反応は今から少なくとも1100万年前の、現代のあらゆるネコ科動物たちの祖先が中央アジアに現れた時代に獲得したものだという。(参考記事:「ひそやかなネコ」

 その理由として考えられるのは、キャットニップには昆虫を寄せ付けない効果もあることから、キャットニップの中でゴロゴロ転がるという行動が、ノミなどの寄生虫を追い払うために定着したというものだ。

 ネコはキャットニップに対して反応する唯一の動物であり、ネペタラクトンの脳受容体を持っている動物はネコだけという可能性もあるとシラクーサ氏は言う。

文=Liz Langley/訳=北村京子