イヌはなぜ人の妊娠がわかるのか

コトン・ド・テュレアール種の「プリンス」。生後18カ月。2017年3月に開催されたクラフツ・ドッグショーにて。(PHOTOGRAPH BY MATT CARDY, GETTY)
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 ナショナル ジオグラフィック誌のライター、キャサリン・ザッカーマン氏は、飼い犬であるコトン・ド・テュレアール種の「ズッコ」について不思議に思っていることがある。

 ザッカーマン氏が妊娠してから、なぜかズッコが子ども部屋でおしっこをするようになったのだ。もしかするとズッコは、彼女の妊娠に気づいたために行動を変えたのだろうか。(参考記事:「イヌはなぜサイレンで鳴く? 遠吠えの様々な理由」

 彼女はまず獣医のところへ行き、ズッコに尿路感染症などの病気がないかどうかを確認すべきだと、シラクーサ氏は言う。

 もし健康に問題がなければ、ザッカーマン氏が妊娠したことで起こっているホルモンの変化をズッコが感じ取り、その反応として、普段とは違う行動に出ている可能性も考えられる。たとえば、飼い主がホルモン療法を始めると、イヌがいつもとは違う行動に出る例はあるそうだ。(参考記事:「イヌやネコはなぜ死んだ飼い主を食べるのか」

 イヌは嗅覚が鋭いだけでなく、非常に感覚が鋭く、いずれにしろ人間の行動や習慣の変化にもすぐに気づく。そう語るのは、スイス、ホルゲンの応用動物行動学・動物心理学研究所のデニス・ターナー氏だ。(参考記事:「イヌが人懐こくなった理由は「難病遺伝子」に」

 たとえば子ども部屋を作るために家具を動かすといった一見ささいなことでも、イヌの日々の習慣を妨げ、ストレスの原因になることがある。こういった反応は「人間の子どもに見られる嫉妬と似たようなものです」とターナー氏は言う。(参考記事:「犬は人に「戦略的なウソ」をつく、実験で証明」

 シラクーサ氏が勧めるのは、ペンシルベニア大学獣医学部ライアン動物病院が公開している、赤ちゃんが家族に加わる変化にペットをうまく対応させるためのヒント集だ。対処法の例としては、毎日普段より少しだけ多くイヌにかまってあげる、ベビーベッドなどの新しいものは、赤ちゃんが来るよりもかなり前から用意しておく、といったものがある。

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