新種インコを発見、声はタカ似、残り100羽ほどか

きわめて珍しい野生からの発見、新種とするには慎重な意見も

2017.06.30
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早急な保護を

 鳥類の専門家たちがこのインコを長く見過ごしてきた経緯は明らかではないが、個体数が極めて少ないため、目に留まることなく生きてきたのかもしれない。

 野生のブルーウイングは100羽ほどしかいないと研究チームは推定しており、森林の減少や違法なペット取引が目当ての捕獲から守るための、早急な対策が必要だと訴える(シルバ氏自身、インコの密輸により1990年代に服役している)。(参考記事:「野生の生息数が150羽に満たないアカハラワカバインコ」

インコ科の新種(写真はオス)が報告されたが、専門家からは慎重な意見も出ている。(PHOTOGRAPH BY TONY SILVA (CC BY), CREATIVE COMMONS
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 米ニューヨーク市、アメリカ自然史博物館のオウム目の専門家であるカミラ・リバス氏は、ブルーウイングが新種の可能性はあると考えているものの、論文に記載された2羽以外の遺伝子を調べた結果も見たいと話した。

 米シカゴにあるフィールド自然史博物館の准学芸員、ジョン・ベイツ氏も同意見だ。今回の研究で検査された遺伝子は、この種の分析においては「とても弱い」部分だと指摘する。

「何であれ結論を出す前に、遺伝子の分析結果をもっと見たいと個人的に思っています」

 例えば、この研究で示されたブルーウィングの分析結果は、コボウシインコ(Amazona albifrons)にかなり近いとベイツ氏は話した。(参考記事:「ダーウィンフィンチのゲノム解読が広げる種の概念」

ブルー・ウイングド・アマゾン(写真はオス)の個体数は100羽前後と推定され、きわめて希少と考えられる。(PHOTOGRAPH BY TONY SILVA (CC BY), CREATIVE COMMONS
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「我々の遺伝学的研究は完璧」

 同じく疑いをもつ研究者は他にもいる。米テキサスA&M大学獣医学部でオウム目の保全生物学を研究するドナルド・ブライトスミス氏は、この研究を「よいスタートだ」と評価する一方、ブルーウイングの行動に関する記述があいまいだと指摘している。

 これに対しシルバ氏ら著者は、研究のために希少な種をさらに捕獲するのは非倫理的だろうという。著者の1人でポーランド、ヴロツワフ大学の遺伝学者、パベル・マッキービッチ氏も、今回はインコに関する他の研究でも使われる遺伝子を分析しており、新種がほかの種と遺伝的に近いことはありえると強調した。(参考記事:「賢いインコ「ヨウム」、アフリカで激減」

「論文を読んだ他の専門家は、遺伝子の比較的小さな違いが過大評価されるべきではないと言いながらも、異論を唱えた人はいませんでしたし、新種であることにもほとんど疑問をもたれませんでした」

 シルバ氏も付け加える。「我々の遺伝学的研究は完璧です。この種が科学界の厳しい批判にも耐えるという自信があります」

文=Traci Watson/訳=高野夏美

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