熱帯のヒカリボヤ、北太平洋で大発生、前代未聞

アラスカのサケ漁が不可能に、原因も影響も不明、科学者は困惑

2017.06.16
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今後の影響も未知数

 この生物が何を食べているかははっきりしないが、それが大量だということだけは確かだ。

「おそらく、たくさんの餌を食べているはずです。一般には微細な粒子を食べますが、ここまで増えるためには大量に食べなければなりません」とブロジャー氏は言う。

近くで見ると、表面に細かい突起がある。(PHOTOGRAPH BY HILARIE SORENSEN)
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 ヒカリボヤを食べる生物がいるのかも定かではない。ギンダラを捕獲している科学者は、数匹がヒカリボヤを吐き戻しているのに気付いた。他の研究者は、キングサーモンの体内に小さなヒカリボヤが数匹いるのを確認している。しかし、これらの魚はヒカリボヤを食べたのか、それとも単に避けられなかっただけなのだろうか。

 一部の科学者は早くも懸念を抱いている。これほど多くのヒカリボヤが海中にいれば、その死骸が分解されていく過程で大量の酸素が消費され、沿岸にすむ他の海洋生物に危険を及ぼす可能性があるという。

 やはり北西漁業科学センターの生物学者であるローリー・ワイトカンプ氏は、「この辺りでは全く前例がありません。これほどの生息密度に非常に困惑しています」と言う。「誰もが頭を悩ませています」

ヒカリボヤの大量発生で他の生きものがどんな影響を受けるかは、まだわからない。(PHOTOGRAPH BY HILARIE SORENSEN)
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文=Craig Welch/訳=高野夏美

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