ハーバード教授が説く、人生に必要な「5つの問い」

卒業式でのスピーチがネットで大反響! そこに学ぶ人生哲学とは

2017.05.31
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【動画】YouTubeで公開されているジェームズ・ライアン氏のスピーチ。(内容は英語です)

――本に書かれていた、障害を持つ子どもたちが暮らすケンタッキー州の施設で、あなたがボランティアをされたときのエピソードは心に響きました。このときの体験と、「How can I help?(どんな手助けをしたらいいだろう?)」という問いが持つ意味について教えてください。

 そこは長く生きられない重篤な障害を持つ幼い子どもたちが暮らしている施設でした。彼らの多くが13~14歳になる前に亡くなるといわれています。私は一介のボランティアで、自分が何をしているのかもよくわかっていませんでした。

 この施設に、12~13歳くらいのダウン症の女の子がいました。この子を仮にシンディと呼びましょう。シンディを見ているうちに、私は彼女が、小さな子どもたちが何をしてもらいたがっているかについて、介助者と同じくらいよくわかっていることに気づきました。そこで私は、子どもたちに向かって「どんな手助けをしたらいい?」と聞くのをやめて、シンディの指示に従うことにしました。なぜなら子どもたちにとって質問に答えることは難しく、一方シンディには、彼らがどんな助けを必要としているかが、経験上よくわかっていたからです。

 これはいくつもの意味で驚くべき体験でした。まず一つには、私はシンディのことを、それまでとは全く違った目で見るようになりました。私はすぐにシンディを、ダウン症の患者としてではなく、その状況において、他の誰にも劣らないくらい私の役に立ち、助けになる存在であると考えるようになりました。

 またこれをきっかけに私は、誰かに手を差し伸べるときには、逆に相手から助けられる可能性に対して、常に心を開いた状態でいるべきであると気づきました。自分が相手から助けられていることに、その場では気づかない場合もあるでしょう。あの施設での体験を通して私は、非常に謙虚な気持ちで支援の手を差し伸べるという考え方を実践することの重要性を痛感しました。相手が何を必要としているかを自分はよくわかっているとか、自分は助けてもらう必要は全くないといった考えは捨てるべきなのです。(参考記事:「「説教よりも心に響く」教皇の姿勢」

――好奇心に溢れ、問題解決に積極的に取り組む人を育てるためには、教育者として何をすべきだと考えますか。

「プロジェクト型学習」は非常に有効です。これはその名の通り、生徒たちにレポートを書いたり、何らかのパフォーマンスをしたりといったプロジェクトを完遂せよという課題を与える学習方法です。そうした成果を得る過程で、生徒たちは互いに協力し、多くを学んでいくことになります。こういったアプローチは、生徒のやる気を引き出し、好奇心を掻き立てます。

 教室の前に立って、ただ事実を並べ立てるよりもずっと効果的です。生徒の大半は、生まれつきある程度の好奇心を持っているものです。学校が真にやるべきなのは、その好奇心を潰さずに伸ばしてやることでしょう。

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