絶滅寸前のスッポン、繁殖可能なオスはどこに?

若いメスはいてもオスは高齢、あと3匹のシャンハイハナスッポン

2017.05.26
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
飼育下では唯一のオスのシャンハイハナスッポン。ベトナムにいる野生のオスも厳重に監視されている。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
[画像のクリックで拡大表示]

――雲南省でシャンハイハナスッポンを探し出すため、どのような活動が行われているのですか?

 現地調査を行っています。2017年は4月から5月にかけて、紅河で野生のシャンハイハナスッポンを探しています。まだ見つかっていませんが、毎年この時期に現地入りを計画し、捜索を試みています。

――野生のシャンハイハナスッポンがまだ見つかるかもしれないと考える根拠は何ですか?

 話を聞いた地元住民の中に、本人の説明に基づけば、シャンハイハナスッポンを目撃したと思われる人たちがいました。数を推定することはできませんが、住民の話からすると、1~2匹はいるはずです。(参考記事:「絶滅と考えられていた犬、半世紀ぶり見つかる」

――もし見つかったら、種にとってはどんな意味があるのでしょうか?

産卵できる唯一のメス。保護活動家たちは、新たなパートナーとなるオスが中国、雲南省の紅河から見つかることを期待している。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
[画像のクリックで拡大表示]

 繁殖を成功させる機会がかなり増えます。中国の動物園にいるオスはだいぶ高齢なのに対して、メスはまだ若いです。人工授精を用いた繁殖が試みられているものの、この中国のつがいで行った過去4回は成功しませんでした。先日、5回目を実施して質の高い精子が得られましたが、成功したかどうか分かるのは1カ月ほど先になります。(参考記事:「世界最大の淡水カメ、絶滅回避なるか」

――なぜ、このスッポンをそこまで保護しなければならないのでしょうか?

 この地域の象徴的な種であり、生物多様性の点からも非常に大切だからです。シャンハイハナスッポンは環境の健全性を示す重要な指標です。彼らの生き残りを助けられれば、この地の生態系が良好だということになります。絶滅してしまえば、実に劣悪な状況であることを意味します。(参考記事:「復活する絶滅種」

蘇州動物園のメスは人工授精を過去4回受けているが、いずれも受精卵を産むには至らなかった。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
[画像のクリックで拡大表示]

――シャンハイハナスッポンの未来に希望はありますか?

 もう手遅れという可能性もありますが、いくつか復活に向けた好機もあります。シャンハイハナスッポンの保護活動を始めるのに最も重要なタイミングは10年前でしたが、人々はそれに気づいていませんでした。野生個体を新たに発見できれば、もしかすると復活の見込みが高まるかもしれません。

文=Sarah Gibbens/訳=高野夏美

  • このエントリーをはてなブックマークに追加