【解説】宇宙生命探査、次はこうなる

「系外惑星探し」から「惑星を詳しく知る」フェーズへ

2017.05.02
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もう一つの生命の起源

 生命がどれほど広く存在していて、どんなに奇妙であったとしても、地球外生命を発見しただけでその起源が明らかになるものではない。

 地球とは異なる生命の起源は存在するのかといった突っ込んだ議論をすることは、「不可能ではないが、かなり難しいだろう」と、NASAの宇宙生物学者クリス・マッケイ氏は考えている。(参考記事:「地球外知的生命が「球状星団」に存在しうるこれだけの理由」

 1つの方法は、地球外生命の体を作るアミノ酸分子と、地球上の生物の体を作るアミノ酸分子を比較することだ。アミノ酸分子には、左手と右手のように互いに鏡像関係にある左型と右型がある。ただし、地球上の生物のタンパク質を作るアミノ酸分子は、左型が圧倒的に多い。

 地球上の生物が左型のアミノ酸分子を選んだ理由と、そのように決まった時期について答えるのは容易ではなく、今も論争が続いている。ただ、生化学者は基本的に、効率の良い分子エンジンを作るには右型か左型のどちらかに統一することが重要なのだろうと考えている。

 太陽系外惑星の大気の中や、太陽系の氷の衛星から噴出するプルームの中に、右型のアミノ酸分子の証拠を検出することができれば、地球とは異なる生命の起源が存在することの(決定的ではないが)強力な証拠になる、とマッケイ氏。

 地球外生命をめぐる研究の次なる大きな段階は、いずれかの惑星をすぐ近くから見ることだ。そこでブレイクスルー・スターショット計画の出番になる。プロジェクトがうまくいけば、人類は数十年以内に切手サイズの宇宙船をアルファ・ケンタウリに向かわせて、太陽系外惑星系の中から撮影した惑星の写真を地球に送らせることができるだろう。(参考記事:「【解説】ホーキング博士らの超高速宇宙探査計画」

 人類が古くから答えを探し求めてきた深遠な疑問に答えるためには、忍耐と大胆さが必要だ。宇宙のどこかに私たちの仲間がいるのだろうかという問いに対する答えは、いつの日か、惑星が自転していることと同じくらい自明のことになるだろう。

文=Nadia Drake/訳=三枝小夜子

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