1日5億本、「ストローいりません」が米国で拡大中

鼻に刺さったウミガメを助ける動画で加速、海洋ごみ削減に向けた不使用運動

2017.04.20
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ロンドンのイーストエンド地区で毎週開かれるブリック・レーン・マーケット。ごみ箱に入りきらずにあふれ出たごみの山からは、プラスチック製のストローが何本も突き出ている。(PHOTOGRAPH BY IN PICTURES LTD., CORBIS/GETTY)
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 世界の海には、年間800万トンのプラスチックごみが流出している。そのなかで、小さなストローが占める割合はわずかかもしれないが、そのストローをめぐる環境保護運動が今広がりを見せつつある。海を守るために、ほとんどの場合に必要のないストローの使用をやめようという運動だ。

 米国では、ストローがリサイクル用のごみ箱に入れられることはめったにない。ビーチへ行ってみれば一目瞭然だ。それに、海洋プラスチックごみとしてはわずかな量ではあるものの、海の環境に深刻な影響を与えている。その絶妙なサイズゆえに、海洋生物の窒息死や魚の誤飲につながりやすいのだ。ウミガメの鼻に詰まったストローを科学者たちが取り出している動画は、2015年にネットで話題を集めた。(参考記事:「【動画】鼻にストローが刺さったウミガメを救助」

「プラスチック製のストローを使うかどうかを問われる機会があって、もし使わないという選択ができれば、ビーチからストローごみがなくなるかもしれません。それに、海洋プラスチックごみへの問題意識も高められるでしょう」。米ジョージア大学工学部教授のジェナ・ジャムベック氏はそう語る。ジャムベック氏が2015年に行った調査は、1年間に海へ流出するプラスチックごみの量を初めて計測した画期的なものだった。「ストローを使わないという選択がもしできるなら、きっと他にもできることがあります」(参考記事:「海ゴミの出所を特定、1位は中国」

禁止されるプラスチック製品

 海洋プラスチックごみの量を減らすために、これまでも様々なプラスチック製品が使用禁止となり、課税され、ボイコットされてきた。世界経済フォーラムが2016年に発表した調査によれば、2050年までに、海洋プラスチックごみの総重量は全ての魚の重量を上回ると推測されている。(参考記事:「海洋ゴミ、最も効果的な対策は?」

 2016年秋、カリフォルニア州は全米の州で初めて、ビニール袋を禁止することを決定した。その他の国では、ケニア、中国、バングラデシュ、ルワンダ、マケドニアが既にビニール袋を禁止している。フランスでは、ビニール袋だけでなく、世界で初めて2020年からプラスチック製の食器類までもが禁止される。また、米国サンフランシスコでは、テイクアウトなどでよく使われる発泡スチロールのカップや容器を含め、梱包材、ビーチ用玩具などに使われるポリスチレン類が禁止され、ロードアイランド州でも、祝賀行事で風船を飛ばすことを禁止する活動が進められている。同州にあるアクイドネック島の海岸では、使用済みの風船が過去4年間で2200個近く拾い集められていた。(参考記事:「海鳥の90%がプラスチックを誤飲、最新研究で判明」

 プラスチック業界は、こうした禁止令にはことごとく反対している。ビニール袋の製造会社は、フロリダ州、ミズーリ州、アイダホ州、アリゾナ州、ウィスコンシン州、インディアナ州議会に働きかけ、ビニール袋の禁止は違法とする法案を可決させた。

次ページ:ストロー普及の発端は2003年のSARSだった

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