私はこうして「世界初の公認サイボーグ」になった

頭にアンテナを埋めて「超色覚」を得たニール・ハービソン氏に聞く

2017.04.06
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あなたはなぜ、今回の感覚(色を「聞く」能力)を創り出したのですか。

 これは決して何かを克服するためにしたことではありません。グレースケールでものを見ることには多くの利点があります。私は夜目が利きます。物の形状を容易に覚えることができますし、迷彩にも簡単には騙されません。また白黒コピーはカラーよりも安価です。私は自分に身体的な問題があるという意識を持っておらず、自分の視覚を変えたいと思ったこともありません。私が望んだのは、見るための新たな器官を創り出すことでした。

あなたの知覚能力において、通常の視覚と最も大きく異なる点はなんでしょうか。

 当初、私が感知できるのは可視光だけでしたが、その後、赤外線や紫外線も感知できるようにアップグレードしました。こうすることで、例えば日光浴に適している日かそうでないかを判断できます。紫外線レベルが高いと感じれば、その日は日光浴には向きません。その場合は、しばらく待機したり、日焼け止めを余計に塗ったりといった対策がとれるわけです。

 森に散歩に行くなら、私は紫外線レベルが高い日を好みます。紫外線は大きくて高い音を出します。一般に森は静かで穏やかというイメージがありますが、紫外線を浴びた花がそこら中に咲いているときには、実ににぎやかなのです。

頭のアンテナに関して受ける質問の中で、印象に残っているものはありますか。

 特にこれといったものはありませんが、私のアンテナを見た人たちが、それを何であると判断するかは、時とともに変わっていきます。2004年には、このアンテナは読書灯に見えたようで、スイッチは入れられるのかとよく聞かれました。2007年にはハンズフリーの電話、2008年から2009年にはウェアラブルカメラでした。昨年からは、私に向かって「ポケモンGOでしょう!」と言う人たちが出てきました。イタリアの小さな村では、高齢の男性に、これを使ってカプチーノを作るのかと聞かれました。

 もし人々がこの先、「その装置で何が知覚できるのですか」と質問するようになれば、それはこうした装置があたり前の存在となり、これが感覚器官であることが周囲に理解されるようになったという証拠でしょう。

次ページ:装置を埋め込んでから、世界の感じ方はどのように変わりましたか。

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