ティラノサウルスはこんな顔だった、最新報告

人の指先より鋭い触覚の可能性も、謎の化石が新種と判明

2017.04.04
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発見から四半世紀後の快挙

 カー氏の研究は、有名な化石にようやく正式な名前を与えたという点でも注目に値する。

 新たな論文で使われた化石は、これまで「トゥーメディシンのティラノサウルス科」としか呼ばれていなかった。1992年に初めて論文に登場すると、大きな反響を呼んだ。この著者の1人は、有名な古生物学者で、ナショナル ジオグラフィックが支援するジャック・ホーナー氏だ。

 この研究は、米国西部のトゥーメディシン累層から出たティラノサウルス科の化石を対象とし、一帯のティラノサウルスが枝分かれせずに次々と進化したとみられる証拠を見出していた。ホーナー氏らの論文によれば、「向上進化」と呼ばれるこうした一直線の進化が、代表的なティラノサウルス・レックスを生み出した可能性があるという。

 以来、科学者がティラノサウルス科を分析する際には、明らかにその一員であるトゥーメディシンの化石も対象にされてきた。だが、正式な科学的記述は何年も行われず、ティラノサウルス科のダスプレトサウルス・トロススか、ティラノサウルス・レックスの近縁というだけだった。

 2007年、カー氏はホーナー氏のホームグラウンドであるモンタナ州ボーズマンのロッキー博物館を訪問。ティラノサウルス科のこの化石を正式に記述してみてもよいかとホーナー氏に尋ねた。

 新たな研究は恐竜の顔面を再現できただけでなく、ホーナー氏による1992年の分析の大部分を確認することにもなった。カー氏らのチームは、ダスプレトサウルス・ホルネリがより古い種のダスプレトサウルス・トロススから直接進化した種である可能性が高いことが明らかになった。一方、ティラノサウルス・レックスは、ダスプレトサウルス・ホルネリが絶滅してから登場しており、直接進化した種ではない証拠が示された。また、下あごには現生の鳥類と共通の構造も見つかった。(参考記事:「驚きの恐竜展を開催、もはや鳥展、米NYで」

「発見から25年かかりましたが、有名な化石が何者なのか明らかにできました」とカー氏は話している。

文=Michael Greshko/訳=高野夏美

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