花火のように噴き出す溶岩。それらが川となって流れ、灰色の地表を絶えず上塗りしていく。若かったころの地球は、こんな激しい姿だったのだろう。インド洋に浮かぶフランス領レユニオン島、ピトン・ドゥ・ラ・フルネーズ火山では、その景色を垣間見ることができる。(参考記事:「【動画】ハワイで「溶岩の滝」が海へ、圧巻の光景」)
マダガスカルから700キロほど東に位置するこの火山は、53万年にわたって活動を続け、非常に流動性の高い玄武岩質の溶岩を吐き出している。
標高2631メートルのピトン・ドゥ・ラ・フルネーズはフランス語で「窯の峰」を意味する。17世紀以降、150回以上も噴火しており、今や世界でも最も活発な火山の一つとなっている。
約90万のレユニオン島の住民たちは、いつも火山に警戒している。そんななか、ナショナル ジオグラフィックの写真コミュニティ「Your Shot」のメンバーである写真家、ジョナサン・パイエ氏がドローンを使って撮影した映像は、「窯の峰」の姿を細部に至るまで見せてくれた。(参考記事:「【動画】ドローンがとらえた煮えたぎる溶岩湖」)
パイエ氏は主に、火山や噴き出す溶岩の姿を撮影している。これは過酷で、ときに危険が伴う作業だ。有毒な二酸化硫黄のため、ガスマスクをつけてドローンを操縦しなければならないこともある。(参考記事:「本当に恐ろしい「カルデラ噴火」とは」)
しかし、パイエ氏の努力は報われた。2016年7月にはドローン空撮コンテスト「ドローンスタグラム」で、ピトン・ドゥ・ラ・フルネーズ火山の写真が自然と野生部門3位に入賞した。(参考記事:「ドローン空撮コンテスト、圧巻の入賞写真9点」)