キリンにぶら下がって寝る鳥が見つかる

かしこく食事にありつくための戦略か、研究発表

2018.03.02
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固定カメラが夜間とらえたキリンの脚で眠るキバシウシツツキ。( PHOTOGRAPH COURTESY OF MEREDITH PALMER)
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両者の不思議な関係

 産卵の時期になると、キバシウシツツキは木などに巣を作る。それ以外の時は、満足そうにキリンにぶら下がっている。1本の脚に7羽も群がっていることもある。「7羽もぶら下がっていたら、むずむずしそうですけどね」とパーマー氏は笑う。

 米マイアミ大学の生態学者でウシツツキの研究をしているティファニー・プランタン氏は、パーマー氏の研究にはかかわっていないが、今回の発見について「私の知る限り、夜間のウシツツキの行動を調査したのはこれが初めてです」と高く評価する。「2種類のウシツツキとその夜間の行動の違いについて、多くの疑問を解明する第一歩になるでしょう」

 プランタン氏は、アカハシウシツツキが日中、バッファローなどの背中で寝ているのを見たことはあるが、夜間に同じ行動をとる姿は見たことがないという。セレンゲティ国立公園内のカメラトラップにも、アカハシウシツツキが動物をねぐらにしている様子はとらえられていない。

 もう一つの違いは、アカハシウシツツキが、キバシウシツツキよりも小さな、はさみのようなくちばしをもっていることだ。それぞれが異なる種類のダニを食べることができる。(参考記事:「野鳥のクチバシ、餌付けで長く進化か、英国」

アフリカスイギュウにとまるキバシウシツツキ。(PHOTOGRAPH BY BEVERLY JOUBERT, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
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「常にチャンスを狙っています」

 鳥たちの餌になるのは血を吸う寄生虫の類だけではない。動物たちの粘液や血液、鼻水に至るまで、あらゆる体液を口にしている。

「鳥たちは動物の体液を求めて目や鼻、口にまで入って行きます。常にチャンスを狙っているのです」とプランタン氏は話す。(参考記事:「イボイノシシの体を掃除するカメを発見、南ア」

 だが、両者は完全な共生関係ともいえないようだ。アカハシウシツツキには吸血鬼のような性質もあり、動物を傷つけることがある。プランタン氏は、アカハシウシツツキが、キツツキのようにくちばしを使ってロバの皮膚に穴を開け、血を口にしているのを見たことがあるという。

 驚くことに、動物たちの方はこんな手荒なまねも気に留める様子はない。「たいていの場合、動物たちは鳥に傷つけられたとしても、気にしていません」とプランタン氏は語る。

 何かしら理由があるのかもしれない。鳥のこうした行動が傷口をきれいに保ち、たちの悪いハエを寄せ付けない可能性を示唆する調査結果もある。

【動画】動物たちの「自撮り」写真
クレイグ・パッカー氏らが率いるチームはセレンゲティ国立公園各所に固定カメラを設置した。動物たちがカメラに近づくと自動的に撮影される(解説は英語です)。

文=Joshua Rapp Learn / 訳=上村知子

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