【動画】驚き!薄氷でスケートすると神秘的な音

厚さ4.5センチの氷上を滑走するスウェーデンの数学者にインタビュー

2018.02.02
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薄い氷の上をスケートで滑るのは、特別な経験だが、危険も伴う。(PHOTOGRAPH BY HENRIK TRYGG)
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――理想的な氷の状態とは。

 最も理想的な状態は、手つかずの薄氷です。湖面が凍結し始めたばかりで、スケーターの体重を支えるのに十分な厚さまで成長した氷です。天候が味方してくれれば、氷が張ってから2日ほどでその状態になります。

 厚みの最低限度は5センチほどですが、岸に近ければ、3.5センチくらいまでは割れずに持ちこたえられるでしょう。これは、淡水の場合です。塩分を含む汽水域ではもう少し厚みが必要で、判断が難しくなります。(参考記事:「諏訪湖の御神渡り600年の記録が伝える気候変動」

――なぜスケートで薄い氷の上を滑っても割れないのでしょうか。

 すぐに割れるんじゃないかと思うでしょう。でも割れないのは、その下に水があるからです。

 古代ローマのアーチやドームを考えてみてください。あれは、両脇部分が上の部分を支えていますが、氷でもほぼ同じことです。あまり薄いと危険ですが、計算するとなるとかなりややこしいので、やめておきましょう。

――本当に安全かどうかわかっているんですか。

 経験を積めば積むほどわかるようになりますが、100%安全だとは言いきれないでしょうね。まれに、湖に落ちてしまうこともあります。

 でも、いつも安全のため複数人で出かけます。割と社交的なスポーツなんですよ。

――水に落ちたときどんな感じですか。

 水に落ちる事故は年間数百件起きていますが、ほとんどの人はすぐに水から上がることができます。そのまま家に帰って乾かしておしまいです。怪我をしたり、ひとりでいる時に落ちてしまうと大変ですが、そんなことはめったにありません。

――なぜもっと安全で厚い氷の上で滑らないのですか。

 厚い氷は、舗装道路のようであまり面白味を感じません。厚くなりすぎれば、弾力性がなくなり、音もしません。ひびが入れば、気温の上昇とともに膨張し、その部分が盛り上がってしまいます。そして、いずれは雪が積もってスケートが楽しめなくなりますし、見た目もそれほど魅力的ではありません。

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