体長60cmの謎の大型両生類、新種として記載

「ヒョウウナギ」と呼ばれた未確認生物、米国の濁った水中に生息

2018.12.10
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待ち望んでいた新種

 ほとんどの人は今回のニュースで初めてサイレン類の存在を知ったと思うが、両生類の研究者にとっては、レティキュレイティッド・サイレンの新種記載は、長く待ち望んでいた瞬間だった。(参考記事:「地球のいのち 両生類の危機」

「この論文の発表を知ったとき、罠にかかった巨大なグレーターサイレンを初めて捕まえたときの感動を思い出しました」と、サイレン類に詳しいジェニファー・ステイビル氏は言う。ステイビル氏が以前所属していた研究チームは、グレーターサイレンとサザンドワーフサイレンという2種のサイレンが植物を食べること発見している(それまでサイレンは無脊椎動物しか食べないと考えられていた)。彼女は、飼育下のサイレンの繁殖にも成功している。

 ステイビル氏は今回の新種について、「本当に長い時間がかかりました。人々は何十年も前からまだ記載されていないサイレン類がいることを知っていて、記載の必要性について議論していたのです」と語る。

 ドイツ、シュツットガルト州立自然史博物館の脊椎動物学者で爬虫類学者でもあるアレクサンダー・クプファー氏も同じ意見だ。「サイレン類の種の数は常に過小評価されていました」と彼は言う。

【参考動画】巨大なチュウゴクオオサンショウウオ:研究者は、チュウゴクオオサンショウウオは1種ではなく、少なくとも5種、もしかすると8種いるかもしれないと考えている。(解説は英語です)

 クプファー氏は、私たちのすぐ近くにまだ記載されていないサイレン類が隠れている可能性は十分にあると考えている。彼は、レッサーサイレンなど一部のサイレン類では、オスが卵を守って子育てすることを発見している。(参考記事:「オタマジャクシが親に「おねだり」?共食い回避で」

 サイレン類についてはまだわからないことだらけで、スティーン氏らの発見は本格的な研究の一歩にすぎない。レティキュレイティッド・サイレンのオスも、レッサーサイレンと同じように卵を守るのだろうか? ほかに何種のサイレン類がいるのだろうか?

「私たちの家のすぐ裏の沼や森にも、調べる必要のあることがまだまだたくさん残っているのです」とスティーン氏は言う。(参考記事:「両生類を襲うカエルツボカビ、朝鮮半島原産と判明」

文=Jason Bittel/訳=三枝小夜子

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