北朝鮮と韓国、似ているけど微妙に違う写真12点

北朝鮮に出入りできる数少ない写真家が両国の人々の日常を撮った

2018.09.22
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左は北朝鮮、平壌でのイベントで、踊りを披露したキム・ソン・ジョンちゃん(9歳)。右は韓国のソウルファッションウィークでダンスを披露したユン・ヘリムちゃん(10歳)。(PHOTOGRAPH BY ED JONES, GETTY IMAGES)

 朝鮮半島にある2つの国はたびたび世界のニュースの中心になる。何十年にもわたり、妥協点が見いだせない「西側」と「東側」のはざまで耐えてきた。(参考記事:「対岸は北朝鮮、鴨緑江沿いの街の日常 写真20点」

 しかし、常にそうだったわけではない。かつてこの地域は数世紀にわたって、朝鮮王朝(李氏朝鮮)が統一国家として共通の文化を築いていた。(参考記事:「米国で見つかった日本の軍事機密「地図」14点」

 その名残は今も両国に影響を与え続けている。一方は事実上の独裁国、もう一方は民主共和国という政治的、社会的な違いはあるものの、両国に暮らす人々の日常生活は時折、ほぼ同じものに見える。

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食品工場で働くホン・クム・ジュさん(27歳)。北朝鮮東部の港湾都市、元山の近郊で撮影。(PHOTOGRAPH BY ED JONES, GETTY IMAGES)

 エド・ジョーンズ氏は北朝鮮への出入りを認められている数少ない写真家の一人。長年、軍の式典からバス停まで、北朝鮮のあらゆるものを記録し続けてきた。韓国に活動拠点を置くジョーンズ氏は、それぞれの国で過ごすうち、両国の日常の風景を並べて紹介するというアイデアを思いついた。(参考記事:「北朝鮮を訪れた「最後の米国人旅行者」の写真」

「軍事境界線の両側では、統一の可能性と重要性が永遠の課題になっています」とジョーンズ氏は話す。「両国間を行き来できる特権と写真を使い、統一に思いをはせることは、私にとって当然の選択でした」

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スパム工場で働くキム・シウンさん(49歳)。韓国ソウルの南にある鎮川郡で撮影。(PHOTOGRAPH BY ED JONES, GETTY IMAGES)

 ジョーンズ氏は、長らく世界から孤立している北朝鮮の本物の日常を切り取ることで、政府が見せようとする外向きのイメージ以上の何かを表現しようと試みた。そうして、北朝鮮の人々も韓国の人々とあまり変わらないということを世界に示そうとしている。(参考記事:「日常か虚飾か、写真と動画で見る北朝鮮の生活」

「両国の人々が一番よく似ているのは微妙な点なので、写真ではわかりにくいかもしれません」とジョーンズ氏は話す。「例えば、軍事境界線を挟んで10キロ以内の距離に暮らす2人の農民は、同じ気候を共有しています。おまけに、写真を撮影したときは、南北の両側で、いつものプロパガンダ放送がスピーカーから聞こえていました」

 ジョーンズ氏によれば、国境の両側で同じ言語が使われており、いくつかの違いはあるものの、両国の人々の結びつきは明白だという。

 しかし、北朝鮮で写真撮影が可能な人を探すのは難しい。ジョーンズ氏は報道写真の仕事のために得た許可を利用し、今回のようなプロジェクトに取り組んでいる。

「私の存在に興味を持った人と会話し、その人に写真撮影を申し込むこともあります。ほとんどの場合、快く応じてくれます」(参考記事:「北朝鮮、知られざる日常の娯楽 写真12点」

 ジョーンズ氏によれば、両国は今も多くの点で分断されているが、人々の好奇心のおかげで、近年は交流が盛んになっているという。

「両国の人々は、以前よりも互いに関心を持つようになっています」

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文=HEATHER BRADY/写真=ED JONES/訳=米井香織

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