【ギャラリー】カリスマ動物 上位20種(写真クリックでギャラリーページへ)
スマトラトラ(Panthera tigris sumatrae)は生息地の消失と密猟により「近絶滅種(critically endangered)」となっている。(PHOTOGRAPH BY STEVE WINTER, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

 動物たちの描写は、広告や映画、写真、おもちゃまで世の中にあふれている。ところが、こうした動物描写の氾濫が、野生に生きる動物たちを脅かすかもしれないことが新たな研究によって示された。

 フランス、パリ第11大学のフランク・クルシャン氏は、動物の「カリスマ性」という概念に注目した。人々はどんな動物にカリスマ性を感じるのだろうか? そうした魅力をもつことは、野生動物の生息数にどんな影響をおよぼすのだろうか?

 クルシャン氏らは69カ国の4500人以上を対象にオンライン調査を行い、最もカリスマ的だと思う動物を挙げてもらった。また、学校での調査、動物園のウェブサイト、アニメ映画のポスターなども参照して集計を行った。

 研究チームは、7月9日付け科学誌「PLOS One」に発表した研究において、カリスマ的な動物の上位20種を発表した。その大半が、陸上にすむ大型哺乳類だった。第1位はトラで、ライオン、ゾウ、キリン、ヒョウ、パンダ、チーター、ホッキョクグマ、オオカミ、ゴリラと続いた。(参考記事:「大型ネコ科の特集7本まとめ」

「1つ、わかったことがありました。人々がカリスマ性を感じるためにはなんらかの点で感銘を受ける必要があり、大きさは人々に感銘を与えるということです」とクルシャン氏。

 調査に参加した人々は、それぞれの動物の特徴として、「希少」「絶滅の危機に瀕している」「美しい」「かわいい」「印象的」「危険」などを挙げていた。上位20種のうち、この6つの特徴のすべてが挙げられなかったのはサメだけだった。サメに欠けていた評価は「かわいい」だった。(参考記事:「奇跡のサメ写真撮影秘話、数々の偽写真のネタにも」

巷にあふれるバーチャル野生動物

 研究者たちは、人々が動物に感じるカリスマ性が動物たちの利益になっているかどうかを調べるために、回答者にさまざまな動物の保全状況についても質問した。すると、回答者の半数以上が、上位10種のカリスマ的な動物のうち5種が絶滅の危機にあることを知らなかった。

 この部分の研究は分割して4月12日付け科学誌「PLOS Biology」に発表されたが、人々は、パンダ、トラ、ホッキョクグマが絶滅の危機に瀕していることは知っていたが、ライオン、チーター、ゴリラ、キリンが置かれている切迫した状況については知らなかった。(参考記事:「動物を殺して動物を救えるか?「娯楽の狩猟」とは」

 上位10種のうち、世界的に危機的状況にない動物はハイイロオオカミだけである。(参考記事:「チェルノブイリのオオカミ 周囲に与える影響は」

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