ハワイに新島が出現、でも短かった命

ハワイ島の南東に新しい島ができつつある理由

2018.07.20
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水面下で成長中の火山も

「ビッグ・アイランド」と呼ばれるハワイ島は、ハワイ諸島で最も新しい島である。ハワイ島の南の沖にはロイヒ海山という成長中の海底火山があり、約1万年後に海面から顔を出すはずだ。

 ハワイ島は5つの火山によってつくられた。そのうちのコハラとマウナケアはマグマ源から離れて火山活動を終え、活火山は残りの3つである。1984年に噴火したマウナロア、1801年に噴火したフアラライ、そして現在、注目の的になっているキラウエアだ。(参考記事:「【動画】キラウエア火山が見せた炎のショー」

 キラウエアは1983年からほぼコンスタントに噴火していて、ときに爆発的な噴火を起こし、火山灰の雲や溶岩を空高く噴き上げたり、どろどろの溶岩流をあふれさせたりしてきた。キラウエアの山腹の亀裂からは大量のマグマが流れ出していて、表面に見えているもののほとんどが、できてから1000年未満である。地質学的タイムスケールでは一瞬とも言える時間だ。

 米国地質調査所(USGS)ハワイ火山観測所の火山学者ティナ・ニール氏はテレビ番組『ハワイ・ニュース・ナウ』で、5月に始まった噴火は「近年に類を見ない規模」だと語った。

 溶岩は、ケアヒアラカ・アフプアア(アフプアアはハワイの伝統的な地域区分)のレイラニ地区の中心部を流れはじめた。ハワイ島在住の写真家アンドリュー・ハラ氏は、レイラニ地区に向かう途中にパチパチという音と高温のガスの強烈な臭いに気づいて写真を撮影しはじめた。(参考記事:「【動画】道路から青い炎、キラウエア火山の噴火」

 それからの2カ月間、ハラ氏は様々な変化を見せる火山の写真を撮り続けており、噴火がコミュニティーに及ぼした影響や、島そのものの自然の変化を記録している。

【ギャラリー】ハワイ島の地形を変えるキラウエア火山、写真14点(写真クリックでギャラリーページへ)
5月24日、ハワイ島ケアヒアラカ・アフプアアのレイラニ地区で、亀裂から噴き上がる溶岩。(PHOTOGRAPH BY ANDREW HARA)

 今回の噴火の開始からまもなく3カ月になるのに、火山活動が鎮まる気配はない。(参考記事:「活動続くキラウエア火山、巨大津波の心配は?」

 USGSハワイ火山観測所の地質学者ジャネット・バブ氏によると、火山は最近、毎秒50~100立方メートルの溶岩を新たに送り出しているという。輸送コンテナ1個を1秒でいっぱいにできるペースだ。

「場所によっては、溶岩の流速は時速40~50キロにもなります」とハラ氏は言う。「車でも逃げきれません」。溶岩流が海に注ぎ込むところでは水蒸気が立ちのぼり、海水が泡立ち、ときに溶岩が数十メートルの高さまで飛ばされるような激しい爆発が起きている。(参考記事:「【動画】ハワイで「溶岩の滝」が海へ、圧巻の光景」

「溶岩の温度は2000度にもなり、海水は溶岩に触れた瞬間に蒸発します」とバブ氏。

 海水に触れた溶岩は冷え固まって、先週できた小島のような新たな岩石質の構造をつくる。小島は、今は地峡でハワイ島とつながっているが、その地峡自体も数週間以内に新たな溶岩にのみ込まれ、拡大を続けるハワイ島の海岸の一部になっているだろう。(参考記事:「大迫力、空から至近距離で撮ったハワイの溶岩 10点」

【この記事の写真をもっと見る】ギャラリー:ハワイ島の地形を変えるキラウエア火山、写真あと12点

文=Alejandra Borunda/訳=三枝小夜子

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