高エネルギーニュートリノ、発生源をついに特定

40億光年も離れた銀河の超巨大ブラックホールから飛来、サイエンス誌他

2018.07.17
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過去のデータを掘り起こす

 科学者たちはフェルミ宇宙望遠鏡による過去のTXS0506+056の観測データを調べ、2014年末にも5カ月にわたってフレアを起こしていたことを発見した。アイスキューブのチームが約10年分のニュートリノの観測データを調べると、同じ時期に多数の高エネルギーニュートリノをとらえていたことがわかった。

「こんなことがあったとは、考えたこともありませんでした。150日間に19個というのは驚くべき数です」とハルツェン氏は言う。

 こうして、2つの独立した証拠から、TXS0506+056が地球にニュートリノを投げつけていることが示された。これまで謎だった宇宙の高エネルギーニュートリノの発生源の1つを特定できたのだ。(参考記事:「ニュートリノ工場、いて座A」

残る疑問

 とはいえ、まだ疑問は残っている。

「個人的には、今回の結果はブレーザーと宇宙ニュートリノとの関連を強く示唆しているものの、決定的とまでは言えないと思います」とペトロプールー氏は言う。「アイスキューブが検出したニュートリノは、TXS0506+056と同じ方向にある別の天体から来ていた可能性もあります」

 宇宙ニュートリノの発生源の探索はこれで終わりというわけではない。宇宙線の発生源はブレーザーだけではないからだ。

 ペトロプールー氏はこう話す。「恒星を生み出す銀河、超新星どうしの相互作用、低光度ガンマ線バースト、銀河団の中心にある電波銀河など、アイスキューブが観測するニュートリノを生み出す天体物理学現象はたくさんあるのです」(参考記事:「電波銀河ケンタウルス座Aのハロー」

【参考ギャラリー】ハッブル望遠鏡 50の傑作画像(写真クリックでギャラリーページへ)
宇宙を彩る花火
塵(ちり)が渦を巻くタランチュラ星雲内部の空洞を、生まれたばかりの輝く星々が照らす。ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた天体画像の公開を担当するゾルタン・リベイは、この画像の魅力は躍動感にあるという。「星々がまさに誕生し、死滅している光景です」 NASA; ESA; F. PARESCE, INAF-IASF, BOLOGNA, ITALY; R. O’CONNELL, UNIVERSITY OF VIRGINIA; WIDE FIELD CAMERA 3 SCIENCE OVERSIGHT COMMITTEE

文=Nadia Drake/訳=三枝小夜子

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