タンザニアのマニャーラ湖国立公園で、アフリカゾウの群れを横切る車。専門家は、サファリでは経験を積んだガイドが引率し、旅行客に自分で運転させないように忠告している。(PHOTOGRAPH BY JASON EDWARDS, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)
[画像をタップでギャラリー表示]

 サファリパークはどこでもそうだが、ベークセ・ベルゲン・サファリパークにも、車の外に出てはならないと数カ国語で書いた看板がいくつも立っている。それでも警告を無視する人が後を絶たず、毎年何人もの人が、サファリパークや野生生物公園で怪我をしたり命を落としたりしている。その多くが良い写真や自撮り写真を撮ろうとしてのことだ。

 2015年には、南アフリカのヨハネスブルク近郊の「ライオンパーク」で、車の窓を開け放って写真を撮っていた米国人観光客がライオンに襲われて死亡した。ここでも、常に車の窓を閉めておくよう呼びかけている。(参考記事:「ライオンはなぜ観光客を殺したのか」

 野生動物を使ったアトラクションの中には、車の窓を開けてクマのような危険な動物にエサをやることを禁止していない、あるいは黙認しているところもある。2017年に八達嶺野生動物世界で撮影された動画にも、その様子が写っている。幸い、このときは怪我人は出なかった。(参考記事:「【動画】クマが森から飛び出し、突進してきた」

「サファリパークについては複雑な心境です」とダラー氏は言う。多くの人にとって、大型のネコ科動物などの野生動物をすぐそばで見られる唯一の方法かもしれないが、そのような動物を自然から引き離すべきではないと考えるからだ。(参考記事:「大手旅行サイト、動物アトラクションの販売を中止」

 野生動物には常にしかるべき敬意を払うべきだとダラー氏は訴える。ベークセ・ベルゲン・サファリパークの家族が怖い思いをしただけで逃げられたのは、運が良かったからにすぎない、と。

おすすめ関連書籍

100年後も見たい 動物園で会える絶滅危惧動物

『ナショナル ジオグラフィック別冊』シリーズの第7弾。動物を絶滅から救うプロジェクト「フォト・アーク」の一環。付録:A5サイズ・特製クリアファイル付き!

定価:本体1,400円+税

文=Stephen Leahy/訳=山内百合子