安易な解釈は要注意

 NASAの地球科学者で、衛星スオミNPPの夜間光データ分析チームを率いるミゲル・ロマン氏は、ネルソン氏の地図に示された変化を特定の出来事に結びつける際には注意が必要だと述べている。ある点が明るくなった場合、それはその場所が電化されたためかもしれないが、「街灯の種類が変わったことも考えられます」と言う。(参考記事:「LED街灯の増加で夜空が青くなる?」

 この地図は、興味深い変化を見つけ出し、それを研究するにはうってつけだ。変化の原因をより深く理解するには、特定の地域の変化を長期間にわたって追跡するのも有益だとロマン氏は言う。NASAは、地球の1日ごとの夜の映像を科学者らに提供する方針で、違法な漁業の発見、災害への対応、光害の原因の特定、脆弱な生態系の保護など、あらゆることに役立ててもらいたいと述べている。(参考記事: 「【動画】宇宙から見た地球の1年、NASAが公開」

北朝鮮では、2012年から2016年にかけて夜間光の変化がほとんど見られない。(Map by John Nelson)
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「NASAのデータは本当に見事です。素晴らしい仕事です」と言うネルソン氏は、最新の「ブラックマーブル」(夜の地球)のデータに関する記事を読んだ瞬間にこのアイデアをひらめき、すぐに地図の作成に取りかかった。「私にとって最高の地図というのは、あるデータセットに対する驚きをきっかけに、楽しんで、駆り立てられるように作ったものです」(参考記事:「グーグルマップと地図製作の“民主化”」

 ネルソン氏は、ほかにも海洋化学に関する膨大なデータセットを視覚化するプロジェクトなどに取り組んでいる。「これで生計を立てているなんて信じられません」と言う。「驚くようなデータを見て回り、それを上手く凝縮して提示する方法を考え出すのは、とても楽しいです。参加したい面白そうなプロジェクトには事欠きません」

アフリカ西海岸沖に集中した濃いピンクと青の点は、沖合油田の掘削の様子を表している可能性がある。青い点は、新たな掘削が始まったことを示すものかもしれない。(Map by John Nelson)
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文=Betsy Mason/訳=山内百合子