シェイクスピアの頭蓋骨が盗難、レーダーで判明

モーツァルトの頭蓋骨、ムッソリーニの脳、ナポレオンのペニスも行方不明

2016.03.30
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
英国にあるシェイクスピアの墓には頭蓋骨がないと研究者は考えている。この他にも、体のパーツが不足している著名人の墓は世界中にたくさんある。(PHOTOGRAPH BY BEN PRUCHNIE, GETTY)
[画像のクリックで拡大表示]

 まもなく没後400年を迎える英国の劇作家ウィリアム・シェイクスピア。ドキュメンタリー番組を制作するため、英国ストラトフォード・オン・エーボンのホーリー・トリニティ教会にある文豪の墓を研究者が初めてレーダースキャンしたところ、墓のなかにおそらく頭蓋骨がないことが明らかになった。

 1794年に墓荒らしがシェイクスピアの頭蓋骨を盗んだとするいい伝えは正しいのかもしれない。また、シェイクスピアのほかにも、以下で紹介するように芸術家や作家、政治的なリーダーなどの墓が荒らされることがある。著名人は死後も人々の干渉を避けることはできないのだ。(参考記事:「リチャード3世の遺骨発見、熱狂の理由」

ムッソリーニの脳

 イタリア、ファシスト党の独裁者ベニート・ムッソリーニの孫娘が、数年前、祖父の脳の一部がインターネットオークションサイトのEbayで販売されていると警察に通報した。同サイトでは体のパーツの販売が禁じられているため、Ebayはすぐに出品を取り消した。

 出品者は実際にはムッソリーニの脳を持っていなかったようだが、まったくありえない話ではない。第二次世界大戦の終わりにムッソリーニが殺されたあと、妻のもとには彼の脳の一部しか戻されず、残りは米国内に保管されていると考えられているからだ。

モーツァルトの頭蓋骨

 オーストリアの作曲家ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1791年に死去してから10年後、墓掘り人だったヨゼフ・ロスマイヤーが頭蓋骨を盗み出したと言われている。この記念の品はロスマイヤー家に代々伝えられ、20世紀初頭にザルツブルク国際モーツァルテウム財団に寄贈された。

 しかし、この頭蓋骨が本当にモーツァルトのものかどうかはまだわかっていない。2006年に行われたDNA鑑定の結果は、彼の親戚2人の遺体のものとは一致しなかった。つまり、その頭蓋骨が偽物か、そうでなければ何らかの不貞な行為が行われていたかのどちらかということだ。(参考記事:【動画】「コロンブスのDNA鑑定」

 興味深いことに、墓荒らしに遭った同時代の作曲家はモーツァルトだけではない。ルートビッヒ・バン・ベートーベンもヨーゼフ・ハイドンも、頭蓋骨の一部または全部が盗まれている。

トマス・ペインはすべて

 英国の革命思想家のトマス・ペインはもっとかわいそうで、体が世界中に散らばっている。アメリカ独立革命に大きな影響を及ぼしたパンフレット「コモン・センス」を著したペインが1800年代初頭に亡くなると、1人のマニアが遺体を英国に運んだ。遺体はトランクに入れられたまま屋根裏で長年保管されたが、その後の行方ははっきりしない。(参考記事:「亡き家族と暮らす人々 インドネシア」

 伝説では、骨が砕かれてボタンにされたり、個別に売りさばかれたという。肋骨はフランス、頭蓋骨はオーストラリアと、パーツの所持を主張する者はいるものの、真実はいまだ謎に包まれている。

ナポレオンのペニス

 この偽物は誰も作れないだろう。1820年代に行われたフランス皇帝ナポレオン・ボナパルトの死体解剖中、医師がナポレオンのペニスを切除し、司祭に渡した。

 その一物は、後に再び世に姿を現した。1920年代、マンハッタンで展示されたのだ。1970年代には米国の泌尿器科医がおそらく科学的研究の対象として購入し、以降一家が引き継いでいる。(参考記事:「生と死 その境界を科学する」

文=Becky Little/訳=堀込泰三

  • このエントリーをはてなブックマークに追加