【動画】フクロネコ、半世紀ぶり豪本土に復帰

外来種の天敵キツネを管理、「千載一遇のチャンス」と専門家

2018.03.19
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ブーデリー国立公園の理由

 ブーデリーには、鳥類やコウモリ、爬虫類、両生類、魚類など、何百種もの動物が生息している。過去2年間に、別の2種の有袋類、ハナナガネズミカンガルー(Potorous tridactylus)とチャイロコミミバンディクート(Isoodon obesulus)がブーデリー国立公園に再導入され、繁殖に成功している。元々豊かな自然が残された半島であることに加え、天敵のキツネを厳重に監視していることから、ブーデリーは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種(Endangered)に指定されているフクロネコを再導入する場所の第1候補になった。(参考記事:「絶滅から動物を守る! 7000種目が「箱舟」に」

「絶滅した」有袋類をオーストラリアの一部地域で再発見。(解説は英語です)

 フクロネコは、オーストラリア本土の南東沖に浮かぶタスマニア島にある2つの動物保護区、トロワナ野生動物公園とデビルズ・アット・クレイドル野生動物公園からチャーター機で空輸された。3月13日、ブーデリー国立公園内にあるセントジョージズ・ヘッドの人里離れた5つの場所で、少数の群れに分けて自然に返された。(参考記事:「絶滅寸前のオタマジャクシ、空を飛んで故郷へ」

 フクロネコにはGPSを埋め込んだ首輪が付けられており、公園の職員や大学の生態学者が今後3年間モニタリングすることになる。また、研究者はフクロネコの主な捕食者である外来のキツネも追跡する予定だ。ブーデリー国立公園の自然資源マネージャー、ニック・デクスター氏によると、野生の動植物をモニタリングするため、公園のあちこちに赤外線カメラを設置したという。

 地元紙キャンベラタイムズによると、3月15日の時点では、フクロネコは放された地点の周辺にとどまっていた。野生に戻された動物にとって、最初の2週間は最も危険な期間だ。食べ物を自分で見つけなければならないので、体重は減り、野生での行動もまだ荒削りだ。捕食者や事故などに対してもいちばん弱い。(参考記事:「GPSで動物の交通事故死を削減」

「箱から飛び出し、大急ぎで茂みの中に駆け込んだものもいれば、立ち止まって辺りを見回してから、ぶらぶらと去っていったものもいました」とデビルズ・アット・クレイドル野生動物公園の創設者ウェイド・アンソニー氏はABCニュースのインタビューで答えた。「その中の1匹は1キロメートル先まで、ちょっとした旅に出ました」

かわいい絶滅危惧種の動物の保護に自撮り写真が一役買った。(解説は英語です)(参考記事:「大人気の自撮りアイドル、クアッカワラビーって?」

 WWFオーストラリアとリワイルディング・オーストラリアは、タスマニアの2つの保護区の拡大にも取り組んでいる。保護区域が広くなれば、生まれるフクロネコが毎年さらに40匹増えると予想されている。そうなれば、2019年に40匹、2020年にさらに40匹のフクロネコを野生に戻す予定だ。(参考記事:「絶滅危機のタスマニアデビル、「死の病」克服の兆し」

文=Elaina Zachos/訳=牧野建志

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