【写真集】中国の月面探査機「嫦娥3号」が見た月

中国語のサイトにアップされた写真を惑星協会が紹介、さらに厳選

2016.02.08
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
嫦娥3号が2013年12月23日に撮影した、4枚の写真からなるモザイク画像。探査車「玉兎(ぎょくと)」の右側のソーラーパネルが、傾いた日光をうまくキャッチできるように少し下向きになっている。 (PHOTOGRAPH BY CHINESE ACADEMY OF SCIENCES, CHINA NATIONAL SPACE ADMINISTRATION / THE SCIENCE AND APPLICATION CENTER FOR MOON AND DEEPSPACE EXPLORATION/EMILY LAKDAWALLA)
[画像のクリックで拡大表示]

 中国の月探査機「嫦娥(じょうが)3号」の鋭い目で見た月面だ。

 嫦娥3号は2013年12月14日、探査車「玉兎(ぎょくと)」とともに月北部の「雨の海」に着陸を果たした(月の「海」は玄武岩で覆われた黒い部分を指す)。これにより中国は、ソビエト連邦および米国に次いで月面への軟着陸を成功させた3番目の国となった。(参考記事:「中国月面着陸までの37年の空白」

 中国国家航天局は2015年、同ミッションから送られてくる美しいカラー写真をいくつも発表した。しかし、西側のメディアではあまり取り上げられなかった。主な理由としては、中国が画像をリリースするタイミングがたいてい受信から12~18カ月後であったこと、そして中国語でしか書かれていないウェブサイトに掲載されていたことなどが挙げられる。

 しかし、惑星協会のエミリー・ラクダワラ氏がこのたび1週間以上かけて、35ギガバイトにも及ぶこの宝の山を寄せ集め、アクセスのしやすい方法で発表した。

 氏は、画像フォーマットがNASAや欧州宇宙機関の使用しているものと同じだったことに触れ、「中国からのデータ共有に関して言えば、状況はとても良好です。私が言葉がわかったら、もっと簡単だったでしょう」と述べた。

 非常に素晴らしい写真ばかりである。玉兎は2014年1月に走行できない状態になったものの、すでに送られてきたデータのおかげで、科学者らは月の地質への理解を深めることができた。米国やソ連が見つけられなかった新しい種類の月の石も発見された。着陸から2年以上が過ぎた今でも、嫦娥3号の計器は、月面にある唯一の望遠鏡を含めて正常に動いている。(参考記事:「フォトギャラリー:探査車が見た火星」

 米ディフェンス・グループ社のアナリストで、米カリフォルニア州立大学サンディエゴ校と提携しているケビン・ポールピーター氏は言う。「中国は一流の仲間入りをすることで、宇宙における大きな力を誇示しようとしています。同時に、私たちが以前得られなかった月に関する本当の知識を深めることにも貢献しています」

 データサイズは大きいものの、ラクダワラ氏は嫦娥3号からの写真をすべて網羅してはいない。氏は、危険な場所を特定するために使われたような、工学的な目的で使われたカメラからの写真をさらに入手しようとしている。

 嫦娥3号は、今後ずっと月に孤独に放置されるわけではない。中国は2017年に新たな着陸船を月に送り、地球にサンプルを持ち帰る計画を立てている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加