【動画】ゾウが池に落ちた仲間を励ます

鼻を伸ばして寄り添う温かい映像、中国雲南省

2016.11.11
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【動画】救出を待つ仲間を元気づけるゾウ
野生のアジアゾウ3頭が池に落ちた。救助を待つ間、仲間のゾウが励まし続けていた。(解説は英語です)

 ゾウは賢く、社会的な動物。お互いを慰めたり守ったりすることで知られるが、冒頭の映像はそんな共感的行動をあらためて確認させてくれる。中国雲南省でアジアゾウ3頭が池に落ち、救助されるという出来事があったのだ。(参考記事:「【動画】水場にひっくり返ったゾウを救出」

 村の住民が通信社CCTV+に語ったところによると、コンクリートの壁で囲まれた人工の池に3頭のゾウが落ち、2日間出られずにいたという。3頭は池から上がろうとしたが垂直な壁を登れず、他のゾウが助けにやってきた。

 集まったゾウは池に向かって鼻を伸ばし、落ちた3頭を助けようとするかのようだった。少なくとも、励まそうとしていたのかもしれない。

 村人はすぐに森林警察に通報。現場に駆け付けた職員が対応しようとしたが、1日目は大雨と、池の周囲に集まっていたゾウに阻まれた。ゾウたちは、窮地にいる仲間を守ろうとしたのだ。

 そこで救助チームは一帯にドローンとヘリコプターを飛ばし、状況を空から調べた。最終的に、地上にいるゾウを爆竹で遠ざけることに決めたとCCTV+は報じている。

 次いで、池の四方を囲む壁のうち1つを重機で壊してスロープを作り、落ちたゾウが歩いて出られるようにした。3頭は無事に脱出し、森へ帰って行った。(参考記事:「【動画】井戸に落ちたヒョウを村人総出で救出」

カラスや類人猿も慰め合う

 中国にいる野生のアジアゾウ(学名Elephas maximus)は300頭と推定され、全て雲南省に生息している。ラオスやミャンマーと国境を接するこの地域は、一部が森林保護区に指定されている。

 2014年の研究では、アジアゾウはストレスにさらされると仲間同士で慰め合うという観察結果が報告された。こうした行動は、大型類人猿やカラスでも記録されている。特にゾウの場合は、居合わせたゾウが取り乱した仲間に近づき、口や性器を撫でて、気遣いを示すことが分かっている。(参考記事:「仲間の心に寄り添うゾウの共感能力」

 このとき居合わせたゾウも、池に落ちたゾウを安心させるために高い声を出したり、ゴロゴロと低い音を出したりした。また、ストレスを感じているゾウを守るように丸く取り囲むこともあった。

【参考動画】2トンのゾウを安全に移動させるには
ナショナル ジオグラフィックの動画サイトから。作中で表明される意見は制作者のもの。(解説は英語です)

 アジアゾウは通常、苦痛を感じると尾を立て、耳を広げて、トランペットのような声を出したり低く響く声を出したりする。急に糞尿を漏らすこともある。

 米エモリー大学リビング・リンク・センター所長を務め、この研究の共著者だったフランス・デ・ワール氏は当時、ナショナル ジオグラフィックに対し、「ゾウは、仲間が苦痛を受けているのを見ると同じように苦痛を感じ、仲間を落ち着かせようと手を差し伸べます。チンパンジーや人間が、動揺する友人を抱きしめる行動とよく似ています」と話している。(参考記事:「刑務所で動物学の講義が人気のワケ」

「彼らの仲間意識を考えれば、他者に気遣いを示すのは驚くべきことではありません」と、デ・ワール氏は語った。

文=Brian Clark Howard/訳=高野夏美

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