【動画】洞窟にぶら下がるヘビがコウモリを襲撃

洞窟に暮らす生き物たちの驚くべき生存競争

2016.11.02
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【動画】洞窟の天井にぶら下がり、空中でコウモリを捕まえるヘビ (解説は英語です)

 インディ・ジョーンズでも、この洞窟は探検したくないだろう。天井からヘビがぶら下がり、空中を飛び回るコウモリを餌食にしようと待ち構えているのだ。

 その洞窟は「カンテモ・バット・ケーブ」。メキシコ南部ユカタン半島、カンテモの町の近くにあり、冒険好きの観光客を引きつけている。年間300人ほどがヘビの珍しい行動を一目見ようと洞窟に入ると、地元の環境保護NGO代表のリリアナ・ガルシア・ラミレス氏は語る。(参考記事:「【動画】「ニセのクモ」で鳥をだまして食べるヘビ」

 このヘビは、ナミヘビ科のヨルナメラ(Pseudelaphe flavirufa)。見かけは恐ろしいものの毒性はなく、人間に害を与えることはないと、ラミレス氏は言う。

 一般に小型のヘビが捕食するのは、齧歯類やトカゲなど、地上や森林で暮らす小動物だ。だが時の経過とともに、一部のヘビは新たな糧を見つけた。コウモリだ。

 この洞窟によく出入りするコウモリは6種、ヘビにとっては変化に富むごちそうだ。コウモリが群れをなしていっせいに洞窟を出入りするとき、ヘビは岩の隙間からするりと這い出てきて天井からぶら下がり、空中でコウモリに食らいつくのだ。

 ヘビのこうした適応例は珍しいが、ほかにないわけではない。プエルトリコの洞窟に生息するプエルトリコボア(Epicrates inornatus)も、空中でコウモリを捕食するヘビとして知られている。

 ここユカタン半島では、地元の人々が昔からこのヘビのことを知っていて、この洞窟を「バット・ケーブ(コウモリ洞窟)」、あるいは「ヘビがぶら下がる洞窟」と呼んできた。(参考記事:「マヤを支配した蛇の王国」

「地元の人たちは、この洞窟の保護に取り組んでいます」と、ラミレス氏は語る。観光客はみな、資格をもつガイドの同行が必要で、生き物にちょっかいを出したり、触ったりすることは禁じられている。また、影響を最小限にするために、一度に洞窟に入れるのは最大10人までだ。ヘビたちは見物人がいても気にならないようです、とラミレス氏は語る。(参考記事:「ヘビが再び足を生やした謎を解明」

 なお、この洞窟の一部は水に浸かっており、目の見えない甲殻類が生息している。周囲の森林や隣接するラグーン(礁湖)には、60種の鳥やクロコダイル、魚が生息している。

文=Brian Clark Howard/訳=倉田真木

  • このエントリーをはてなブックマークに追加