1.3億円相当、センザンコウのウロコ4トン押収

1000~6000匹分、過去最大規模

2016.06.28
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年にインドネシア当局が押収したセンザンコウの死体。この動物はウロコと肉の需要のために密猟されている。(PHOTOGRAPH BY BINSAR BAKKARA, AP)
[画像のクリックで拡大表示]

 香港当局は6月23日、「薄切りプラスチック(sliced plastics)」とラベル付けされたカメルーン発の貨物から、アフリカセンザンコウのウロコ4トンを押収した。この動物1100匹から6600匹に相当し、およそ980万香港ドル(約1億3000万円)の価値があるという。同種のウロコとしては過去最大規模の摘発と、IUCN(国際自然保護連合)は報告している。(参考記事:「密猟象牙の闇ルートを追う」

 センザンコウはアフリカおよびアジアに生息する夜行性の哺乳類で、このところ個体数が激減している。数年前には野生生物の専門家から「世界で最も密売されている哺乳類」という不名誉な称号を付けられたほどで、過去10年間で密猟されたセンザンコウは100万匹を上回るとみられる。主に中国やベトナムにおいて肉やウロコの需要があり、伝統の薬や食材になる。

 動物保護の非営利団体、国際動物福祉基金(IFAW)のジェフ・フロッケン氏は、「センザンコウが密売人の手によって深く苦しめられていることは間違いありません。今回の事件は、センザンコウの保護強化が急務であることを示す新たな一例です」とする声明を出した。(参考記事:「「赤い象牙」もつサイチョウ、密猟で絶滅の危機に」

 多くの国が、アジアおよびアフリカにすむセンザンコウ全8種に対する国際保護の強化を提案している。現在一部でアフリカセンザンコウの取引が認められていることが、センザンコウ全種の違法取引を促進する隠れ蓑になっている。今秋行われるワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の締約国会議では、全8種の取引を違法とすることが提案されることになるだろう。(参考記事:「解説:タイのトラ寺院に40頭の子トラ死体」

【フォトギャラリー】ポートレートは生命の記録(2016年4月号特集)

文=Jani Actman/訳=堀込泰三

  • このエントリーをはてなブックマークに追加