足を失ったカメ、車輪を取り付けて歩行可能に

動物園の入場客の心を和ませる

2016.06.24
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車輪を体に取り付けてもらい、再び歩けるようになったインドホシガメ。(PHOTOGRAPH BY ARUN SANKAR, GETTY IMAGES)
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 インドの動物園で、足を失ったカメに義足代わりの車輪を取り付けたところ、自由に動くことができるようになり、入場客の心を和ませている。(参考記事:「脳とつながるハイテク義手」

 このカメは2歳のインドホシガメ(学名:Geochelone elegans)のメス。インドのチェンナイにあるアリグナー・アンナ動物公園で飼育されている。

 マングースに襲われて右の前足を失い、歩くこともエサにたどり着くこともできなかったところ、これを見た飼育員が簡単な手術を施し、車輪を取り付けてみた。以来、動物園にいる他の14匹の健常なカメよりも速く動けるようになったほどだという。

カメは、足を負傷することが多い。(PHOTOGRAPH BY ARUM SANKAR, AFP, GETTY IMAGES)
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 米国のフロリダ自然史博物館で爬虫両生類を担当するケネス・クリスコ氏は、「とても良いアイデア。車輪のおかげで、カメの命が救われたのではないかと思いますよ。私たちも同じように負傷したカメを見ることが多いので、この方法を覚えておきます」と語る。

この動物園には、14匹のインドホシガメが飼育されている。(PHOTOGRAPH BY ARUN SANKAR, AFP, GETTY IMAGES)
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カメの腹側から見た車輪。(PHOTOGRAPH BY ARUN SANKAR, AFP, GETTY IMAGES)
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 クリスコ氏によると、カメはイヌやネコなどに襲われて足を怪我することが多い。チェンナイのカメは、すぐそばの森からやってきたマングースに襲われたという。

 インドホシガメは、インドやスリランカの乾燥地帯や低木林に生息している。甲羅に星のような模様があることから、ちょっと変わったペットとして人気がある。(参考記事:「動物の奇形:3つ目のカニ、双頭のカメ」

 体長は25センチまで成長することもあり、メスの方がオスよりも体が大きい。オスは、交尾しやすいように腹甲がくぼんでいる。主に草食で、草や果物、多肉植物を好むが、たまに死んだ動物の肉を食べることもある。

車輪のおかげで、今では真っ先にエサにたどり着くことができるようになったという。(PHOTOGRAPH BY ARUN SANKAR, AFP, GETTY IMAGES)
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 アリグナー・アンナ動物公園は南アジアで最大級の動物園で、総面積は602ヘクタール。インドで最初の動物園として、1855年に創立された。元々は市街地にあったが、1970年代に郊外の森林保護区へ移転し、1985年に新しい場所で開園した。(参考記事:「183歳のカメのジョナサン元気に、最高齢の動物」

火災で甲羅を失い、病に苦しんでいたカメをボランティアが助けた。3Dプリント技術を用いて新しい甲羅を作ったのだ。カメは今、その甲羅を背負って無事に暮らしている。
【フォトギャラリー】驚くほどかわいい、カメの写真17点

文=Brian Clark Howard/訳=ルーバー荒井ハンナ

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