土星の環が一部破れる、カッシーニが撮影

環の中から雪玉の塊を放出か

2016.06.22
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NASAの土星探査機カッシーニからの画像。比較的外側にあるF環の一部が崩れている様子がはっきりわかる。(PHOTOGRAPH BY NASA)
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 土星の環の中に、何かが潜んでいたようだ。

 NASAが6月13日に発表した土星の画像に、土星の環のひとつで、比較的外側にある細いF環の一部が崩れている様子が映っていた。この氷の環の崩壊は、環の中に埋もれていた見えない物体の仕業である可能性が高い。(参考記事:「土星の環は思っていたより軽かった」

 米国カリフォルニア州パサデナにあるNASAジェット推進研究所のプレストン・ダイクス広報担当官によると、研究者らはこの特徴をジェットと呼び、よく見られる光景らしい。NASAの土星探査機カッシーニは、2004年に土星を周回し始めて以来、多数のジェットを観測している。(参考記事:「ミニジェット、土星の環を貫く雪玉」

 こうしたジェットは土星の衛星プロメテウスの引力によると考えられている。細長いジャガイモの形状をしたこの小さな衛星は、土星を周回しながらその重力によってF環の形を維持する「羊飼い衛星」のひとつ。しかし、同衛星の軌道は完全な円ではないため、不均一な重力によってF環の内部に雪玉の塊が生じ、それがジェットとして噴き出すというのがダイクス氏の説明だ。(参考記事:「土星の環を守る羊飼い衛星」「土星の衛星プロメテウスの3次元画像」

 過去にはジェットの影響で、環が網目状、塊状、波状の構造になったことがある。F環が崩れている最新の画像は4月8日に撮影されたものだが、6月10日のさらに新しい画像では、傷は自然に修復されたようだ。

 科学者にとってジェットはそれほど驚きではないが、その拡大画像は以前にも増して貴重なものになりそうだ。

 カッシーニのミッションは終了が近づいており、2017年9月15日には運用終了予定である。2016年末には土星の北極上空に移動し、土星と最も内側の環の間を飛行した後、大気に突入する。(参考記事:「15周年、探査機カッシーニの業績」

「グランドフィナーレ」と名付けられたこのステージでは、カッシーニが土星の上層大気を採取し、貴重なデータを送信した後、最期を迎えることになる。

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文=Elaina Zachos/訳=堀込泰三

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